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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第5部 トリスタニアの休日
最終章 剣と私怨
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シュモンのいる少し後方の別の通路から、一人の男が飛び出してきた。

杖を構えていた。

おそらくアルビオンの貴族だろう。

リッシュモンの命で待機していたのだろうか?

アニエスは再び剣を構えようとしたが、激痛が走り、剣を落としてしまった。

しかし、アニエスの目はそれでも光を失っていなかった。

アルビオン貴族の男を眼力だけで殺さんばかりに睨み付ける。

男が杖を振りかざそうとしたその時、男の体から噴水のごとく鮮血が噴き出した。

男の上半身がはじけ飛んだのだ。

その血がアニエスの顔にぴっぴとこびり付く。

アニエスは何が起こったのだと目を見開いたが、その原因と思しき方向へと顔を向ける。

そこには、右手握りしめ、その男の方にむけているウルキオラの姿があった。

ウルキオラが『虚弾』を放ったのである。

ウルキオラの右手は緑色の閃光が火花のようにチリチリと音を立てていた。

アニエスは『魔法だろうか?』と思ったが、そんなことを考察する余裕はなかった。

「今のは確実に死んでいた」

ウルキオラの言葉に、すまんと一言いうと、剣とカンテラを拾い上げた。

そして、アニエスは壁に肩をついてよろよろと歩き始めた。

今にも倒れてしまいそうなほどの激痛に耐えながらウルキオラの横を通り過ぎようとしたとき……体が浮遊感に襲われた。

アニエスは何が起こったのかわからなかった。

ウルキオラがアニエスを抱きかかえたのである。

「な、き、貴様…いったい何を…」

「その傷では走れまい。お前のペースに合わせるのは面倒だ。が、かといって放置していけば確実に死ぬだろう?別に俺個人としてはお前が死のうがどうでもいいが、アンリエッタに何を言われるか分かったものじゃないからな」

またアンリエッタを呼び捨てにしていることに気づいたが、それを咎める力はもうすでにアニエスには残されていなかった。

ウルキオラに抱えられながら、地下通路の涼しさを感じた。

その涼しさが心地よかった。

アニエスは生を実感し、幸運に感謝しながら気絶した。




三日後……。

魅惑の妖精亭は、いつも通り活気づいていた。

厨房ではいつものようにジェシカが皿を洗っている。

ウルキオラはそこから少し離れた席で紅茶を飲んでいた。

ルイズはその向かいに座っている。

特に何をするわけでもなく、ただウルキオラを睨み付けていた。

そんなルイズにウルキオラはため息をついた。

ウルキオラは、ルイズに迫られ、アンリエッタとの行動を共界眼で見せたのである。

さて、そんな映像を見せつけられたルイズは怒鳴ることなく、ウー!と唸った。

ウルキオラは『またアホみたいにピー
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