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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第5部 トリスタニアの休日
最終章 剣と私怨
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切りだした。

「私が貴様を殺すのは、陛下の忠誠心からではない。私怨だ」

「私怨?」

「ダングルテール(アングル地方)」

リッシュモンは笑った。

そういえば、この前自分の屋敷を去る時に……、こいつはわざわざ自分に尋ねた。

あれはそういうことだったのか、と、やっと理由のわかったリッシュモンは笑った。

「なるほど!貴様は村の生き残りか!」

「貴様に罪を着せられ……、何の咎なくわが故郷は滅んだ」

アニエスは、ぎりっと唇を噛みしめて言い放った。

唇が切れて血が流れる。

「殺してやるからそこを動くな」

「お前ごときに貴族の杖を使うのはもったいないが……、これも運命かね」

リッシュモンは呟き、呪文を唱えた。

杖の先から巨大な火の玉が膨れ上がり、アニエスに飛んだ。

ウルキオラは、アニエスの実力を見ようとあえて動かなかった。

アニエスは左手に握った拳銃を撃つかと思ったが、それを投げ捨てた。

「なに?」

身体に纏ったマントを翻し、それで火の玉を受け止める。

一気にマントは燃え上がるが……、中に仕込まれた水袋が一気に蒸発して火の玉の威力をそいだ。

が、消滅したわけではない。

アニエスの体にぶつかり、鎖帷子を熱く焼いた。

「うぉおおおおおおおおおっ!」

しかし、アニエスは倒れずに堪えた。

恐ろしいまでの精神力。

転げまわってしまうような全身が焼け付く痛みに耐えながら、剣を抜き放ちリッシュモンに向かって突進した。

ウルキオラは思わず目を見開いた。

その反撃に慌ててリッシュモンは次の呪文を放つ。

風の刃がアニエスを襲う。

散々に切り裂くが、鎖帷子と板金の鎧に阻まれ、致命傷とならない。

身体に無数の切り傷を負いながら、なおもアニエスは突進する。

次の魔法をリッシュモンが唱えようとした瞬間、アニエスはその懐に飛び込んでいた。

「うお……」

リッシュモンの口からあふれたのはルーンではなく……、真っ赤な鮮血であった。

アニエスは柄も通れとばかりに深く、リッシュモンの胸に剣を突き立てていた。

「メ……、メイジが平民ごときに……、この貴族の私が……、お前のような剣士風情に……」

「……剣や銃はおもちゃだと抜かしたな?」

全身に火傷と切り傷を負いながら、アニエスはゆっくりを突き立てた剣を回転させ、リッシュモンの胸をえぐった。

「おもちゃではないぞ。これは『武器』だ。我らが貴様ら貴族にせめて一かみと、磨いた牙だ。その牙で死ね。リッシュモン」

ごほ、と一際大きくリッシュモンは血を吐いた。

そしてゆっくりと崩れ落ちる。

辺りに静寂が戻る……はずだった。

リッ
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