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ドリトル先生北海道に行く
第四幕その二

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「そこまで寒いとね」
「もう嫌だよね」
「僕はアフリカ生まれだから」
 暑い場所で生まれ育ってきたのです、ですから王子は暑い場所は平気でも寒い場所になると逆に、なのです。
「だからね」
「それじゃあだね」
「うん、遠慮したいよ」
 冬の北海道はというのです。
「やっぱりね」
「そうだね、それじゃあね」
「夏に行くべきだね」
 今の季節にです。
「僕は」
「僕もそう思うよ」
「じゃあ今度来る時もね」
「夏にだね」
「行きたいね」
「それがいいね」
 先生もこう応えます。
「王子にとっても」
「それじゃあね」
「さて、それでだけれど」
 先生は西洋の趣の街を歩きつつ皆に言いました。
「この街を歩いてね」
「この街を歩いて」
「どうするの?」
「運河も歩こう」
 そこもというのです。
「この小樽のね」
「あっ、小樽は運河もありましたね」
 トミーは旅行前に勉強したことを思い出しました。
「それでその運河も」
「凄く奇麗と評判だからね」
「行ってですね」
「見よう」
 こう言うのでした。
「この煉瓦の街を見てからね」
「それじゃあ」
「しかしね」
 先生は街を見たままこうも言いました。
「日本で煉瓦の街並を見るとね」
「不思議な感じがするよね」
「何かね」
「場違いなのに」
「それでもね」
「妙に合っていて」
「それが不思議で」
 動物の皆も言います。
「合っていない様で合っている」
「それが不思議よ」
「煉瓦は西洋のものなのに」
「それが合ってるなんて」
「それもうね」
「信じられないよ」
「取り入れ方がいいんだね」 
 何故合っているのか、先生は考えて言いました。
「それでなんだよ」
「だからなんだ」
「日本人の西洋文化の取り入れ方が上手だから」
「それでなんだね」
「こんなに合っているんだ」
「日本に」
「そうだね、若しね」
 ここでこうも言った先生でした。
「イギリスで日本の屋敷をそのまま入れるとね」
「そのまま?」
「そのままっていうと」
「今僕達が神戸で住んでいるみたいな」
「そのお家をそのままイギリスに入れたら」
「そうしたら」
「こうはいかないね」
 到底、というのです。
「そのまま入れたらね」
「西洋の趣を保って」
「そうして日本に入れるのは」
「難しいのに」
「それを出来たのはね」
「凄いよね」
「そう思うよ」
 実にと言う先生でした。
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