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ドリトル先生北海道に行く
第四幕その一

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                 第四幕  日本の中の西洋
 先生達は王子が貸し切っている車両に乗せてもらって電車で函館から一気に小樽まで行きました。すると。
 その小樽の街を見てです、動物の皆はここでも驚いて言いました。
「何、この街」
「本当に日本!?」
「欧州の何処かの街!?」
「けれど欧州のどの街よりも奇麗で」
「こんな奇麗な街欧州の何処にもないよ」
「それこそ」
「この街はね」
 先生は息を呑む皆にお話します。
「明治維新の時に銀行を集めてね」
「そういえばね」
「何か銀行多いね」
「そうだよね」
「西洋風の建築のね」
「そして産業も興してね」
 その産業はといいますと。
「ガラスとかのね」
「それでなんだ」
「こうした街並になったんだ」
「それでなんだ」
「この街はこうした感じなんだ」
「西洋風の街なんだね」
「そうだよ、明治維新に入った西洋文化がね」
 まさにというのです。
「特に強く入って根付いた街なんだ」
「神戸以上にそれが強いね」
「どうやらね」
「この街はね」
「そうなんだね」
「そうだよ、だからね」
 先生もその街を見つつ言います。
「この街はこうした街なんだ」
「ううん、日本にいるのに」
「欧州にいるみたいだね」
「けれど欧州のどの国でもないわ」
「何か独特の西洋ね」
「日本人が見た西洋だよ」
 明治の頃の日本人がです。
「それがこの小樽なんだ」
「これで冬は、だよね」
 また王子が言ってきました。
「この街は雪に包まれるんだよね」
「そうだよ」
 先生は王子にも答えました。
「そうなるんだ」
「そうなったら余計に奇麗だろうね」
「雪に合っている街だね」
「うん、函館もそうだけれどね」
「北海道だからね」
「寒くて雪が多い場所の街だから」
「例え夏に来ていてもね」
 そして夏の街並みを見てもなのです。
「そう思えるんだ」
「そうなんだね」
「まあ冬に来たら」
 少し苦笑いになって言った先生でした。
「移動に苦労するよ」
「雪に邪魔されてだね」
「そう、それでね」
「そうだね、雪は奇麗でも」
「障害にもなるから」
 だからというのです。
「冬の小樽は辛いよ」
「北海道自体も」
「それに寒いからね」
「ううん、寒いとね」
 王子は寒いと聞いてこう言いました。
「夏でこれだけ涼しいとね」
「北海道の冬は凄いよ」
「イギリスみたいかな」
「そうだね、あれ位かな」
「神戸の冬でも辛いのに」
 王子にとってはです。
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