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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第224話 仲間の輪
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ゆっくりと移動してみてくれ」
『ハイ!』
返事に続いて、一番近くのカメラが小口径のレンズを動かし始めた。
現在ユイは、このダイシー・カフェのリアルタイム映像を擬似3D化した空間で、小妖精のように飛翔している、と感じている筈だ。
画質の低さ、応答性の悪さに関しては、ものすんごく頼りになるユイの兄……隼人がいろいろと手配をしてくれたから、スペック面で大いに助かっている。おかげで、ユイの目と耳、果ては擬似ではあるものの、触覚までもが、僅かに伝わるようになっているのだ。
現実で見れて、訊けた事に喜び。流石に実体化した訳ではないから、
まだ
(
・・
)
、完全な触覚は不可能だ。
だけど、それでもユイにとっては本当に嬉しかった。実際に触った訳ではないが、それでも ユイが見えている場所。ユイの目に映る隼人と和人に、本当に嬉しいプレゼントをくれた大好きな家族の2人に、そっと口づけの抱擁をしてくれたのは良い思い出だった。
「……なるほど、つまりあのカメラとマイクは、ユイちゃんの端末……って事」
「ああ。その通りだ。市販の物じゃ、少々スペックが、まだ頼りなかったから、色々と集めた」
「……キリト、大丈夫? 金銭面」
「うっ……」
それは、少々難易度が高い問題だが、その面を全面的に隼人に頼ろう物なら、当てにしよう物なら、もう友達だと、親友だと、……果ては義息子などとは言えないだろう。
「大丈夫。これはレンタルだ。キリトのアイディアに注目した企業が幾つかあってな。学生身分の課題での発想だったから 機材提供の変わりに、結果データを報酬で受け取りたい、っという事だ」
「ふーん。なるほど。その橋渡しをリュウキが」
詩乃は納得したように、頷いた。そして、和人が 苦虫を噛み締めた様な声を出した理由も大体判った。
「それで、成果をしっかりと出せるように、キリトが頑張ってる、って事か」
「あ、あはは……まぁ」
和人はそう言って苦笑いをしていた。
注目をしてくれるのは嬉しい、が。機材まで提供してくれているとなると、かなり頑張らなければならない。学生の身分だから、その課題だから、と言う事は先方の方々は判ってくれているだろうけれど……、隼人の人脈だと言う事も判っている。生半可な、てきとーな結果を寄越した日には、隼人にも迷惑を掛けるかもしれないから。
『ユイの為だし、気にする事はない』と言ってくれているが……、それもそれとなく、重圧となるというものだ。良い意味で、刺激に。
SAO時代、
その刺激
(
リュウキの言葉
)
で 色々と向上する事が出来たのだから。
「えっと、なんだっけ、おにいちゃんが学校で……、メカ、メカトニ……」
横で座っていた直葉が必至に思い出そうとするけれど、出なかった。だから、和人と隼
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