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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
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くえん》と炸裂(さくれつ)した火が見えた。
 その瞬間、飛び出してきた丸い(かたまり)が自分の腹部に直撃し、強烈(きょうれつ)な衝撃が体を通り過ぎた。


 これが攻城兵器と言われる大砲の力……。


 僕がかつて()らった時のよりも、大砲との距離が(はる)かに近いせいか……。

「(すごく、痛い……!)」

 自分の体が(ちゅう)に浮いて、後ろへと押されていく。
 腹部に直撃した砲弾は、僕を巻き込んでゴロゴロと転がった。
 その威力と勢いを殺されて、エルザ姫の手前の所で僕もろとも地面に転がった。

 そこでようやく止まった。

「(んおぉぉ……止まったけど…い、痛いよぉ…)」

 お腹がすごく痛い。
 内臓(おなか)がペシャンコになったかと思えるような苦痛(くつう)
 痛みのあまり、全身がバッキバキに(きし)むような感覚に(うめ)く。

 砲弾と一緒に転がってきた僕を見下ろす姫の顔が視界(しかい)に入った。
 ああ、どうやら無事のようだ。

 やっぱり大砲とかさ…女の子に当たるべきじゃないよね……こんなに痛いし。


「バッテン―――」

 姫様が、僕を見て、僕を呼んだ。
 だから、僕の名前はバッテンじゃ―――あ……ダメだ…これ、意識()ちる。

 エルザ姫は僕を呼んだが、現在進行形で意識が沈みつつある僕は、そこから先の言葉は届かなくなっていた。


 そしてそのまま、ストン―――と自分は意識を落とした。

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