第二話 奪われたものと手に入れたもの
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私が尊敬しているのは、『巨人』
一言でいうなら、人類の敵だ。
私の両親は、巨人によって殺された。
私は巨人を恨み、巨人を倒すために必死になった。
調査兵団に入って、必死に訓練もした。でも、それでも巨人には勝てない。
巨人は、私の大切なものを奪った。家族・居場所・友人…
でも巨人は私に殺意をくれた、強くなろうとする向上心をくれた。
そして…思い出させてくれた。亡き父の言葉を…
『いいかい、アリスタ。誰かに勝ちたいときは、その誰かをしっかり観察しなさい。どんな些細なことでもいい。その誰かに対する情報を、自分の体に刻みなさい。そして相手を尊敬しなさい。そうすれば、どんな相手にも勝つことができる。決して恨んではいけないよ?』
私は誓った。亡き父の言葉を守り、巨人を超える強い人になると…
その日から、私は巨人を尊敬するようになった。壁外調査の日、巨人の動きをひたすら観察した。
ハンジと巨人について、語り合った。情報交換をした。
今までしていた訓練をやめた。独自の訓練を編み出した。
そして今に至る。
「明日はどんな子に逢えるかな〜♪」
「そうだね〜、明日はどんな巨人さんを見れるかな〜」
二人で巨人さんについて話していると、急にハンジが視界から消えた。
驚いてあたりを見回すと…いた。
「イテテテ…痛いよリヴァイ!」
「うるせぇ、黙ってろ。」
どうやら兵長によって蹴飛ばされたらしい…いつもの事だけどw
兵長は私に視線を移した。
「おはようございます、リヴァイ兵長。本日はずいぶんとお早い起床なのですね。」
「…まぁな。お前はまた訓練か…」
「ご名答です!日々の訓練は欠かせませんから!」
「そういいながら、こちらの訓練はさぼっているようだな(苦笑)」
「あはは、申し訳ないです…でも私なりに強くなりたいので…」
「分かっている。俺はお前を責めに来たんじゃない。様子を見に来ただけだ。」
リヴァイ兵長はそう言って笑った。
最初こそは兵長も、私のやり方には反対していたが、最近になって理解してくれるようになった。
恐らくエルヴィン団長が何かしてくれたのだろう…
この時の私はそう思っていた。
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