暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1281話
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歩いていると、不意にハルカと手を繋いでいるルリが小さな声を上げる。
 ハルカもそんなルリの声に気が付いたのだろう。ルリの視線の先を追う。
 そこにあったのは、ハンバーガー屋。いわゆるファーストフード店だ。
 俺が見た事のない店名だったので、恐らくナデシコ世界固有の店なんだと思う。
 それでいながら、どことなく既視感を覚えるその店構え。
 いやまぁ、ファーストフード店なんてどこも大概似たような作りになるんだろうけど。

「どうしたの、ルリルリ。ちょっとお腹減っちゃった?」
「いえ。最近ハンバーガーを食べてなかったなと思ったので」
「あー……そう言えばそうよね。最近ルリルリを食堂でよく見掛けるようになったもの。ま、でも健康にはファーストフードより食堂できちんとしたご飯を食べる方がいいのは確かよ?」
「アクセルさんにも言いましたけど、ナデシコのハンバーガーはきちんと栄養が管理されています。それに、もし栄養を補助する必要があるのならサプリメントがありますから」

 不満そうに言っているルリだったが、俺がいないところでもハンバーガーとかじゃなくて食堂できちんと食べていると考えれば、本人もそれ程食べるのが嫌って訳じゃないと思うんだけどな。

「うーん、ルリルリの言いたい事も分かるけど、食べ物の栄養ってだけじゃなくて精神的な栄養? そういうのもあるじゃない?」
「……分かりません」

 微かに首を傾げるルリ。
 こういうところを見ていると、どことなく霞を思い出す。
 いっそルリにもウサギの耳のカチューシャを付けてやるか?
 あ、でもあれってG元素を使ってるとか何とか聞いたような覚えがあったような、なかったような……
 ま、取りあえず覚えておいて、向こうの世界に戻った時に忘れてなければ夕呼に連絡を取って予備を貰ってくればいいか。

「アクセル、行くわよ?」
「ん? ああ。……で、寄るのか?」

 ルリの手を引いたハルカの向かった先がファーストフード店であるというのを見て取り、ハルカへと尋ねる。

「ええ。折角ナデシコの外に出たんだし、たまにはハンバーガーでもいいでしょ。それにほら、ハンバーガーとか食べてるとちょっとデートっぽくない?」
「デート、ねぇ……」

 俺とハルカは共に20代程の年齢で、ルリは10歳前後。さすがに親子には見えないだろうが、妹連れという風には見えるか?
 ハルカの方がそれを喜ぶとは思えないが。ともあれ……

「そうだな。久しぶりの外出なんだし、そのくらい羽目を外すのはいいか」

 そうして、俺達は視線の先にあるファーストフード店へと向かう。
 ファーストフード店だけあって、店の中は程々に混んでいる。
 まぁ、コロニーの中という立地上、店が客で溢れる! ってのは普通ないんだろうけ
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