第24話黒い笑み
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がった直後、アスナさんを見て自分がした事を認識していた。
「お兄ちゃん、見とれてた・・・?」
「へっ!?い!いいい、いやこれは男なら仕方ない事であってだな!別にオレが・・・」
「解ってるよ、むしろ安心した。これでもあたし、お兄ちゃんに彼女が出来なくて、いつあたしに襲いかかるか心配だったんだから」
心配しなくていい。それだけは絶対ありえないから安心しろ。
こんな他愛もないオレ達兄妹の口論の最中に、アスナさんが飛び出してきた転移門から一人の男が出てきた。
長い黒髪の前髪を中分けにしている、アスナさんと同じ白の布地に赤いラインがある《血盟騎士団》の制服を着た中年の男ーーー
「アスナ様、勝手の事をされては困ります。ギルド本部まで戻りましょう」
クラディール。昨日オレが感じた嫌な雰囲気を持つ男だった。
「嫌よ!大体あんた、何で朝から家の前に張り込んでるのよ!?」
「こんなこともあろうかと、一ヶ月前からずっと《セルムブルグ》でアスナ様の監視の任務についておりました」
「それ、団長の指示じゃないわよね!?」
「私の任務はアスナ様の護衛です。それには当然ご自宅の監視も「含まれないわよねバカ!」」
「ただのストーカーじゃねえか!!」
「うわぁ、変態!最低!女の敵!」
ビックリ仰天。このクラディールという男は護衛という名のストーカーだった。護衛っていうのは外出時に危険のないように付き従うような仕事のはずだ。だけどこの護衛は仕事の範囲外にまで手を出している。自宅の監視なんてもはや護衛はおろか、ましてや張り込み中の警察官でもない。ストーキングの変態、女の敵。オレと未来の言い分は正しいはずだ。ドン引きだぜこのおっさんーーー
「聞き分けのない事をおっしゃらないでください。さあ、戻りましょう」
「あっ・・・!」
クラディールはアスナさんの腕を掴み《血盟騎士団》のギルド本部まで無理矢理連れ戻そうとした。だけどーーーこの《黒の剣士》は何も言わないほどバカじゃない。
「悪いな。お前さん所の副団長は今日は俺の・・・俺達の貸し切りなんだ。アスナの安全は俺が責任を持つよ」
「別に今日ボス戦をしようって訳じゃないから」
「そういうこった。本部にはおっさん一人で帰ってくれよ」
「ふざけるな!貴様らのようなザコプレイヤーに、アスナ様の護衛が勤まるか!私は栄光ある《血盟騎士団》の・・・」
キリト、未来、オレの言葉を飲み込むつもりはなく、オレ達を完全に格下と見ている。
何が栄光ある、だ。確かに《血盟騎士団》は攻略組ギルドの中でトップクラスの規模を誇る大型ギルドだ。だけどそれイコール栄光あるっていうのはちょっと間違ってる気もするぜ。
「あんたよりはまともに勤まる
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