暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第38話「覚醒の時」
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に優輝だけではさすがに二人相手では勝てない。
  だからこそ、ディアーチェ達がユーリの相手を買って出たのである。

「....勝てるのか?」

「...正直に言えば、我らだけでは足止めもままならぬ。...だが、それしきで諦める事など、貴様の前ではできないのでな。」

「...そうか。なら、行くぞ....っ!?」

  今度こそ行こうと優輝が飛ぼうとした時、大きな魔力反応を近くから感じ取る。

「っ...誰だ...?」

  すぐさま、そっちの方へ優輝は向かう。

「ま、待て!」

「...ちょっとひどいけど、もう足止めは始まってるの。行かせないわよ。」

  追いかけようとバインドを解こうとするクロノだが、その目の前に椿が短刀を突きつける。

「くっ....。」

「.....必ず、緋雪を助けなさいよ...優輝。」

  義務とか役目とか関係ない。ただ自身がそうしたいから動く優輝。
  そんな彼の想いを、椿はある程度理解していた。
  ...故に、こうして彼の手助けをする事に今は集中する。







「....ここは...織崎のデバイスが飛んで行った場所...。」

  優輝とマテリアルの三人が魔力反応のあった場所へ辿り着く。

「シュテるん!王様!あそこに誰かがいるよ!」

「あれは....。」

  デバイスが落ちたはずの場所には、一人の女性が立っていた。
  長い黒に近い紺色の、ウェーブのかかった髪を後ろで束ねており、顔は凛々しい雰囲気を醸し出す目つきをしている。
  手には、神夜のアロンダイトが剣の形態で握られており、体は紺色の騎士服と毛皮の腰布、そして肩や手などに僅かな甲冑で身を包んでいる。

「誰だ...?」

  見覚えもない。味方なのかも分からない。
  だが、優輝は目の前の騎士の強さを、瞬時に自身と同等だと悟った。











   ―――終わらなかったかつての悲劇は、もうすぐ終わろうとしている...。










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