暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第38話「覚醒の時」
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優輝は少し目を伏せる。
  ...かつて、助けきれなかった事を悔いているのだろう。

「だから僕達には戦う資格がないと?」

「そうだ。それに、多人数だとかえって邪魔だ。」

「....そうか。」

  クロノは執務官の経験としてか、ただただ直感でか、優輝の言う通りにするべきだと悟る。
  ...だが。

「そんな事はない!一人でも多い方が可能性はある!」

「...一人で十分だと言っているんだ!...部外者が、邪魔するな...!」

  こればかりは譲れないと、優輝は神夜を睨む。

「部外者だと...?そんな事、今は関係ないだろう!?」

「なら、はっきり言ってやろう!お前たちでは力不足だ!!」

  引こうとしない神夜に優輝はそう言う。

「そんな事はない!俺たちだって力になれる!」

「...そこまで言うのなら、試してみようか。この程度凌げなければ話にならん。」

  そう言った瞬間、魔導師たち目掛けて大量の剣が降り注ぐ。

「なっ....!?」

「遅い。」

  魔導師たちは各々防御や回避をするが、そこから全員拘束魔法で捕まってしまう。
  唯一、神夜だけがそれを偶然逃れた。

「今のが回避できないものは、いくら足掻いてもシュネーには勝てん!」

「優輝、アンタ....。」

  どこか焦ったような瞳でそう言う優輝に、椿が気付く。

「....椿、葵、ヴィヴィオ、アインハルト。...悪いけど、彼らの足止めを頼む。」

「パ、パパ!?」

「....分かったわ。」

「分かったよ。」

「椿お姉ちゃんと葵お姉ちゃんも!?」

  いきなりの指示にヴィヴィオは戸惑う。
  椿と葵はどこか察していたのか、すぐに納得する。

「....ヴィヴィオさん、優輝さんは今度こそ邪魔の入らない、シュネーを助けるための戦いに赴きたいのです。...だからこそ、邪魔の入らないように私達に足止めを...。」

「っ....分かった!パパの言う事だもん。信じるよ。」

  アインハルトも理解しており、軽くヴィヴィオに説明すると、ヴィヴィオも信じ、納得してくれた。

「....助かるよ。皆。」

「待て!!」

「っ....!」

     ―――ギィイイン!!

  刹那、優輝は襲い掛かってきた神夜の剣を防ぐ。

「どうして今になって状況をかき乱す!?」

「言っただろう?...邪魔だと!」

     ―――ギィイン!

  すぐに優輝は神夜の剣を弾き、改めて対峙する。

「俺たちはただ彼女を助けたいだけだ!どうして邪魔をする!」

「...うるせぇよ。あいつの気持ちを欠片も理解していない偽善者が...!」


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