暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第38話「覚醒の時」
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
――そのはずはないよ。

「なに...?」

  しかし、“僕”...ムートは否定してきた。

   ―――僕は君で、君は僕。なら、扱えるはずだよ。“導王流”の極致を。

「導王流.....。」

  思い出すのは、かつて恭也さんと試合をした時、最後に使った技。
  確かにあの時、“奥義”と無意識に言っていた。

   ―――思い出して。かつての自分を。そして、彼女を...シュネーを...。

「っ.....!」

  ムートが光の粒子となり、僕の中へと入ってくる。
  その瞬間、僕は思い出した。

  僕が導王だった事。
  かつての名がムート・メークリヒカイトだった事。
  そして...シュネーを、救う事が出来ないまま、庇って死んでしまった事。

  ...それら全てを、鮮明に僕は思い出した。

「あぁ....そうか、そうだよな...。」

  そりゃあ、悔しいよな。こんな結果なんて....。

「...それを目の前で見たんだ。シュネーもああなるさ。」

  狂気に堕ちた緋雪を思い浮かべ、僕は苦笑いする。

「...いいさ、やってやろうじゃないか...!」





   ―――今度こそ、救って...いや、導いてやるよ、緋雪(シュネー)...!











〈....す..ー...すたー...マスター!!〉

「っ!!っ、がぼぼっ!?」

  リヒトの呼びかけに僕は目を覚まし、同時に溺れた。

「(し、しまった...!水中のままだった...!)」

  咄嗟に息を止め、なんとか溺死せずに済む。

「『リヒト、早速で悪いけど、短距離転移だ!』」

〈海の上にですね。分かりました!〉

  咄嗟に息を止めただけなので、当然長くは持たない。
  だから、さっさと転移魔法で海の外に出る事にした。



「...ふぅ。」

〈...海の底まで沈んだ時は、どうなるかと思いましたよ...。〉

  何とか転移に成功し、一息つく僕にリヒトがそう言ってくる。

「...海の底なら水圧とかが....。」

〈水圧は防護服が。息の関係はマスターが気絶している間は私が保護しておきました。〉

「そっか。助かったよ。リヒト。」

  すると、なぜか照れるような雰囲気で点滅するリヒト。

〈いえ...それより、マスターの雰囲気が...。〉

「....久しぶり、とでも言うのかな。フュールング・リヒト。」

〈....え...?〉

  いきなり正式名称で呼ばれたリヒトは少し驚く。

「....これで、本当に再会したんだね。リヒト。...もう、導王ではないけど、これからも頼りになる相棒とし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ