暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第六話 再会の連続
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ジングハートは、同じ製作者によって生み出された姉妹デバイスだ。

 なので機能や設定のいくつかが共有でき、昨日のうちに互いに変化があっても共有できるように設定した。

 そこから送られてくるレイジングハートの反応に変化がないということは、アマネの予想が一番正しいことになる。

 だけど、別の魔導師の介入って誰だ?

 目の前に魔導師で言えば雪鳴がいるけど、

「黒鐘、状況はよくわからないけど、今は考えるより動いたほうがいい」

「雪鳴……」

 こちらを真っ直ぐ見据え、雪鳴は力強い言葉を発した。

 おかげで俺の心に迷いは消え、力強く頷き返すことができた。

「アマネ、目標地点までの誘導を頼む」

《了解。 最短ルートを検索します》

「私も行く」

 走りそうとする俺の隣で、雪鳴も走るために軽く脚を曲げる。

「……分かった」

 俺はふと、彼女の右腕を見てしまう。

 けど、雪鳴だって自分の身体のことがわからないほど馬鹿じゃない。

 今はそう信じて、二人で街中を走り出した。

 そして裏路地に入り、人気がないことを確認したところで壁伝いに建物を屋上へ駆け上がり、屋上から屋上へと飛び越えながら目的地へ向かう。

 こうして肩を並べて走るのは五年ぶりだけど、こうして建物を越えていくのは始めてで、慣れた移動なのに少しだけ新鮮味があった。

「肩を並べて走るの、始めて」

 雪鳴も同じことを思っていたらしく、俺も同じだったと笑顔で頷くと、雪鳴も微笑で頷いた。

 そんな彼女に、俺は走りながら詫びる。

「ありがとな、一緒に来てくれて。 あと悪いな、説明しきれてなくて」

「気にしてない。 黒鐘のことだから、悪いことしてるはずない」

「……どうしてそう言い切れるんだ?」

 雪鳴は少し、俺のことを信じすぎると言うか、俺に甘い面があると思う。

 それは唯一の友人だから贔屓してる、なんてことが理由じゃないだろう。

 俺だって間違いの一つや二つあるし、何も説明していないで信じるのは危険だ。

 それでも俺を信じて付いてくるのはなぜだろう。

 そんな俺の問いに、雪鳴は、

「だってあなたは昔から誰かのために頑張る、――――優しいお人好しさんだから」

 雪鳴は、今までに見せたことないくらい、綺麗な笑顔をしていた。

 その笑顔があまりにも美しくて、可愛くて、不覚にもドキッとした俺は慌てて視線を逸らす。

「お、お人好しは余計だ」

「ううん、お人好し」

 ぶっきらぼうな返事に、雪鳴は変わらず優しい声で返す。

 何というか、勝てないと思った。

《お二方、イチャついている所申し訳ありませんが、そろそろ到着します》

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