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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第六話 再会の連続
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けど、それを説明してたら長くなるので端的に済ませてもらった。

 いや、ホント書類関係のことばかりだから面倒だし、一番重要な理由を言えたから十分だと判断した。

 今度は雪鳴の番と目線で伝えると、彼女は無言で頷き、そして言った。

「去年、訓練中に右腕を負傷したの」

 俺は言葉を失うほど驚いた。

 息を呑み、目を見開き、無表情で淡々と語る彼女の顔を見つめる。

 右腕、つまり今俺の左腕を抱きしめている彼女の右腕は去年、負傷したらしい。

 一体なぜ? と俺が聞くよりも先に雪鳴は説明した。

「ずっと、黒鐘が教えてくれた可能性を極めたくて……そしたら右腕、動かなくなった」

「動かないって!?」

 利き腕が動かなくなるような修練。

 回復力の高い10代でそこまで至るほど、ストイックに過ごしていたと言う証拠だ。

 だけど今、彼女は俺の腕をしっかりと握っている。

 彼女の少し発達した胸を押し付けるレベルの力を……って、そこはどうでもいい。 

「その療養でこっちに来たのか?」

「実家だと療養中でも訓練するかもって言われたから、落ち着いて生活するためにここで生活を始めた」

 雪鳴のことを理解し、この世界での生活を勧めたのは恐らく彼女の父だろう。

 厳しくも家族思いで優しい人だったから、きっとこれを気に色々なものに触れる機会を与えたんだと思う。

「幸い、今は問題なく動かせるから、また修練を始めてる。 衰えはあるけど」

「10代で『衰え』なんて言葉は聞きたくなかったな」

「同感」

 雪鳴の自虐ネタに、俺達は笑みをこぼす。

 きっと彼女自身、利き手が使えなくなった当初は辛かっただろう。

 彼女の一家の血筋的に言えば、次期師範は雪鳴だったはずだ。

 雪鳴にはその分、色んな重圧があった中での事故は、かなりのショックだったに違いない。

 けど、こうして話している限りでは、彼女から重たいものは引きずっている感情が見受けられない。

 多分、彼女なりに答えを見つけたのだろう。

 だから俺は、笑ってあげることにした。

 あの時はあんなことがあったな〜、なんて懐かしむような、そんな気分で。

「なら、雪鳴は海鳴生活が俺より一年も先輩なのか〜」

「でも、あまり色んな所に行かないから、知らない場所いっぱいある」

「いやいや、休みの日くらい友達とどっかにいくだろ?」

「私、友達いないから」

「……」

 歩いているにも関わらず、時が止まったような感覚に襲われる。

 そんな表現が過剰表現ではないほどに、俺は衝撃を受けた。

 友達がいない?

「いや……嘘だろ?」

 堪らず俺はそう聞くと、雪鳴は
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