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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第六話 再会の連続
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うこともあって体つきも少しずつ大人っぽくなっていた。
それこそ、最初に見たときは雪鳴だって気付けなかった程だ。
気づいてあげられなかったのはちょっと罪悪感だけど、それくらい綺麗になったと思う。
昔はスポーツ系男子と同じくらい短髪で、病人と疑うくらい細身で、周りの大人が心配そうに見ているような女の子だった。
それが今や髪を伸ばし、年齢よりも大人っぽくなったように見える。
五年と言う月日は、彼女を変えるには十分だったのだろう。
「お待たせ。 待った?」
「ん、いや、大丈夫」
雪鳴が教室に戻ってくると、俺は自分のカバンと彼女の席置かれたカバンを手に、雪鳴のもとへ向かう。
「んじゃ行こうか?」
「ん、行く」
カバンを手渡すと、彼女はランドセルのように背負い、俺と共に教室を後にした。
廊下を越え、下駄箱に着くまで終始無言だった俺たちだが、これといって気まずい空気もなく、むしろ昔からこんなだったな〜なんて感傷に浸る余裕すらあった。
しかし靴を履き替え、学校を出た所で俺は堪らず声を出す。
「なぁ、二人で歩くにしては寄り過ぎじゃね?」
と言うのも、雪鳴は俺の左腕を抱きしめるながら歩いていた。
よく若いカップルや夫婦がデートでしている光景なんだけど、別にそういう関係じゃないし……てか周囲に勘違いされると雪鳴的には良くないと思うんだけど。
「問題ない。 むしろ五年分の時間を取り戻すためには必須」
いや、そんな訳無いだろ。
なんて鋭くツッコミを入れるのは彼女に対して失礼だろう。
何よりこの五年間、彼女に一切の連絡をしなかった俺のほうにも責任があるわけで、今回は彼女の意見を尊重することにした。
「……怒らないの?」
「このくらいで怒るほど、俺って短気だったか?」
「ううん。 優しい所、全然変わらない」
なんだかんだ雪鳴も気にはしてくれていたようで、上目遣いで不安げに見つめられると、俺も怒れない。
我ながら甘いことは分かっているんだけど、雪鳴の嬉しそうに抱きつく表情を見ると、これ以上文句を言うのは論外だ。
ということで腕を組んで歩く件については諦め、周囲に聞かれない程度の音量で質問する。
「で、雪鳴はなんで海鳴にいるんだ?」
「それ、私が黒鐘に聞きたいこと」
「それもそっか」
見事にカウンターを食らった、と苦笑した俺は、先に俺自身の事情を説明する。
「管理局の人に言われたんだ。 これからの仕事をするにしても何にしても、一度学生として過ごすという経験をしなさいって。 だから長期休暇って理由を付けてここで生活することになったんだ」
本当はもっと細かい事情がある
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