4部分:第四章
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第四章
「あれ?見回りに行ってたんじゃ」
このことにだ。首を捻る。だが身体が重い。
まるで鉛の様だ。それでも何とか起き上がりだ。
先生は当直室の周りを見回した。何の変わりもない。
だが昨日のことを思い出してだ。思わず吐きそうになった。
口を右手で押さえる。何とか吐かずに済んだ。
それでもだ。昨夜のあのことはだ。全て瞼に浮かんできた。その中でだ。
先生はだ。こう思ったのだった。
「夢だったのかな」
こう思った。実際に先生は今当直室にいる。
それでだ。こう思ったのだ。
ところがだ。当直室にだ。あの男がいたのだった。
「よお」
あの髭だらけブリーフ男だ。彼がにこやかに笑って言ってきたのだ。
そしてだ。男はこうも言ってきた。
「昨日は楽しかったな」
「楽しかったって」
「結局おめえは誰ともしなかったけれどな」
このことは先生にとって不幸中の幸いだった。しかしだ。
男はだ。にこやかな笑みのまま先生に言ってくるのだった。
「今度はな。しような」
「夢じゃなかったんだ・・・・・・」
男のにやりとしたおぞましい笑顔を見てだった。
先生は遂に気を失ってだ。倒れてしまった。先生が発見されたのは。
学校に来てみて職員室に当直だった先生がいないことに妙に思った教頭先生が当直室に行ってみるとだ。そこにいたのである。
畳の上で青のトランクス一枚で恐ろしい顔で口から泡を吹いて倒れている先生を見つけたのだ。まるでメデューサを見た様な顔だった。
その先生を見てだ。教頭先生はこう声をかけた。
「先生、起きて下さい」
「うう、やらないか」
「やらないか」?」
「布団を敷こう、な」
こんなことをだ。青ざめた顔で呟いていた。
「はじめて見ちゃった」
「何を見られたんですか?」
「先生の白いブリーフ」
「先生はトランクスですが」
教頭先生は先生のその青いトランクスを見て突っ込みを入れる。とりあえず先生のところに来て身体をゆすって起こそうとしている。
そしてだ。それと共にだった。教頭先生自身のことも言った。
「それに私は褌ですし」
「えっ、褌」
褌と聞いてだ。先生は。
うなされる顔でだ。こう言うのだった。
「赤褌、赤褌の軍人がくんずほぐれつ」
「何ですか、それ」
「生徒の目の前でやられて感じてんのかよ」
先生のうなされる声は続く。
「オカマ先生よお」
「先生のアイドルの好みは大島優子ちゃんだった筈ですが」
教頭先生は先生のアイドルの趣味を知っていた。何故なら自分の机に写真を飾っていていつもそのアイドルの話をするからだ。
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