暁 〜小説投稿サイト〜
おぞましい鏡
1部分:第一章
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「実際には何もない」
「そういうものだっていうんですね」
「そりゃ幽霊とかはいるかも知れませんよ」
 先生にしろその可能性は否定しなかった。
「けれど。そういうのがいても」
「いても?」
「大丈夫だっていうんですか?」
「僕実家神社なんで」
 先生が大丈夫だと言う根拠はここにある様だ。
「一応神主の資格もありますし」
「御祓いできるんですか」
「それも」
「できますよ。御守りも持って行って」
 先生はそれに止まらなかった。
「兄貴が神社継いでるんですけれど兄貴の奥さんの実家お寺で」
「ではお札もですか?」
「貰えるんですか」
「実際貰ってますし」
 既にあるというのだ。
「あと神父さんに知り合いがいて」
「神父さんからは何を?」
「何を貰うんですか?」
 宗教的にはかなりいい加減な話が続く。日本ならではだろうか。
「十字架と大蒜と聖水も」
「吸血鬼が出て来ても大丈夫ですか」
「そういうのも」
「流石に木の杭とか銀の弾丸とかは無理ですけれど」
 吸血鬼だけでなく狼男の話も入る。

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