◇1-7◇ 始まり
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「いや、それが。能力は持ってない。」
「え?」
「玄武様が直々に彼女をここに入れて欲しいと頼まれたんですよ。」
「は?」
遠藤は、意味不明だと言いたげな表情をしていた。ほのか自身も今まさに同じような心情だ。
「荒木ほのかと言います。昨日、偶然殺人現場を見てしまってここに連行されました。」
「殺人現場って。いかにも俺ら犯罪者みたいじゃねえか。」
久方が後ろで小さく呟いている。そうではないのだろうか。
「あぁ、話は聞いていたが、確か人透班が活動してなかったとか。」
「そうなんだ。何やら昨日の敵の狙いは人透班だったんだ。」
「それにしても、不思議な団体ですよね。四神ではなく、人透班を狙うなんて。」
しじん?なんのことなのだろうか。三人が繰り広げる会話に私はついていけなかった。それも当たり前のことだろう。
「人を見えなくする能力なんて数奇だからな。奴らもそういう人材が欲しかったんだろう。」
「人透術は、紗々(ささ)一族特有のものだからな。まぁ、狙われてもしょうがないといえばそうだな。」
「あの...」
ほのかは限界になってきたので、口を開く。
「あぁ、すまないな。えと玄武様から直々にここに置いてくれなどと…何か玄武様と関係があったりするか?」
「いえ、初対面でした。でも、玄武様は私を以前に会ったことがあるとおっしゃっていました。」
「うーん。何か訳ありのようだな。玄武様の考えは時々意味深なことがある。まあ、今は取り敢えず従っておこう。」
遠藤はほのかの後ろにいる二人をこっちに来るよう手招きする。まるで四人で円を作るような形になった。
「取り敢えず、自己紹介しておこうか。俺は遠藤三良という。四神守護隊の局長を務めている者だ。以後よろしくな。」
「四神守護隊?」
ほのかは遠藤の言葉を繰り返した。
「まぁ、俺たちは四神を守るという職業をしているんだ。具体的な内容は後でいいだろう。俺は、久方駿河。ここの副長だ。」
「僕は吉野賢。役職は、まぁ局副長補佐といったところかな。まぁ、殆ど副長の奴隷になってたり...」
そこで久方の鋭い目が自分に向けられてたのを察すると吉野は口を紡ぐ。
「私は、荒木ほのかといいます。柊学園1年です。」
「あったりぃ!やっぱJKだったんだね!」
「おい、賢も確か...」
「はい、DKですよ!」
遠藤に向けて笑顔で吉野は答える。どうやらほのかと彼は年が近いみたいだ。
「おい、さっきから、じぇいけい、やら
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