◇1-5◇ 始まり
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「じゃあ、いつもあんなことを街でしているんですか?」
「うん。まぁ、それが僕たちの仕事だし。あ。」
そう言った吉野は、襖が開くのに気づけば、そちらを向く。ほのかも、そちらを見ると、昨日の殺人鬼が入ってきた。思わず、体が震え上がる。
「吉野ごくろうだった。おい、お前。」
彼は吉野をちらっと見て労った後、ほのかを冷たい目で見下げる。
「は、はい?」
「お前の疑いは晴れた。」
「やっぱり。良かったね!」
吉野は笑顔でほのかを見る。どうやら殺されずに済みそうだ。自然に体の力が抜ける。
「でも一体どうやって晴れたんです?」
「こいつを拘束した時にはもう敵全てが殺されていたからだ。」
なるほどと言ったように吉野は顎に手を添えて、数回頷く。
「じゃあ...」
ほのかは少し怯えた表情で男をゆっくりと見上げる。
「あぁ、ここから出ていい。悪かったな。疑ってしまって。」
男は素直にほのかに謝る。どうやら根はいい人みたいだ。
「いや、とんでもないです!」
ほのかは、元気よく立ち上がれば、吉野を見る。
「お世話になりました!」
「いやいや、玄関まで送るよ。」
そう言えば、三人は縁側へ出た。目の前には、大きな庭が広がっており、木や川が流れており風情な所だった。
(まるで、江戸時代にタイムスリップしたみたい…)
そうほのかは思った。
ほのかたちが廊下を歩いていると、何やら周りが騒がしくなってくる。
「あ、玄武様だ。」
吉野が隣で呟く。ほのかが、げんぶさま?何のことだろうと思っていると、急に隣で二人がしゃがみ込み、お辞儀をしている。
向こうから、二人の男性に挟まれて歩いてくる何か特別な雰囲気を持った男性がやってくる。
「お前も跪け。」
男は、そうほのかに命じたが、慌ててしまって、跪こうとした時には荘厳な雰囲気を醸し出す男性がもう目の前に来ていた。
男性はほのかをじっと見る。
「あ、す、すいま...」
その男性のオーラに圧倒されていたほのかは取り敢えず頭をさげる。隣で跪く二人を見れば、この人はきっと王様みたいな存在なのだと判断した。
男性はほのかを見れば、目を見開く。何かに驚いたような感じだった。
「久方。」
男性は、副長殺人鬼の名前を読んだようだ。
「はっ!」
久方は大きな声で返答する。
「こやつは何者だ。」
「申し訳ございません。彼女は、昨夜、敵と勘違いして連行してきた人間であります。」
久方は丁寧な返
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