◇1-4◇ 始まり
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翌日。ほのかは、朝のまぶしい光に誘われるように目を開く。
見たことのない天井が、視界に映った。
「ここ、どこ...」
ほのかは、ぼそりと呟くように言った。すると、隣にあぐらを掻いて半目状態の少年がいた。
「え...あの...」
確かこの人は。吉野とか呼ばれていた人だ。吉野は、ぱっちりと目を開きこっちを向く。
「あぁ、起きたんだ!えと。僕吉野って言います。あ、まぁ自己紹介はいいっか!」
吉野は、この間ほのかの目の前で人を殺した鬼のような男とは正反対のようなオーラで、明るい人のようだ。
こげ茶の髪で、アホ毛が頭のてっぺんから出ている。
部屋着なのか、昨日の夜のマウンテンパーカーから、グレーのスウェットに、黒のタイトシャツに着替えていた。
「あの、私...」
ほのかはそう言いながら、ゆっくりと布団から起き上がる。
「えーっと、昨日の夜のことはごめんね。副長って猜疑心強いから。」
「一体、あれは,,,」
「うーん。凄い恐ろしいところ見ちゃっただろうね。でも、ああいうのは僕たちにとっては『日常茶飯事』なんだ。」
どういうことなのだろう。人を殺すことが、日常だというならば、何か暗殺グループか何かなのだろうか。
そして今いるところは、その組織の建物。
逃げないとまずいかもしれない。
ほのかは、そう考えると、恐ろしくなって、すばやく布団から飛び上がれば、出て行こうとした。
しかし、障子を開こうとした時に吉野が片手でほのかの両手を後ろにひねる。
「痛っ!」
ほのかは、思わず叫んでしまう。どうやら、彼も殺人鬼なのだろうか。
「ごめんね。君の疑いが晴れない限りここから出すわけにはいかないんだ。」
吉野は冷静沈着な声でほのかの耳元でそう囁くように言った。ほのかは両手から力を抜く。それに気づけば、吉野も手を離す。
ほのかは布団の上に正座をして、吉野を見る。
「すみません。でも本当に昨日言ってたみたいな敵?とかじゃないんです!たまたま学校帰りに見かけてしまっただけなんです!」
「僕もそうだと思うんだ。君は見た感じ敵っていう感じのオーラも見えないし。いかにも平凡な子に見えるよ。」
吉野は、再び正座しているほのかの前であぐらをかく。
「昨日は人透班が活動してなかったから一般の人にも見えていたんだろうし。」
「あの、その、じんとうはん、というのは一体…?」
「ある特定の人たちを透明にする能力を持つ人たちのことさ。いつもならそいつらのおかげで、戦闘中の僕たちの存在は一般人には普通見えないはずなんだけ
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