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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
18話 経済支配-終 「金の魔術師ワルキュラ」
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紙幣の価値は『信用』だけで成り立っている」
「つ、つまり人間達は……一晩も経過してないのに、ワルキュラ様を信用してしまったという事ッスか!?」
「うむ、そうだ。
偉大なるワルキュラ様はアヘン紙幣を通して、人間を経済面を支配……いや精神すらも支配し、この国を征服しようと企んでおられるに違いない。
だからこそ、人間どもにアヘン紙幣をばら撒いたのだろう……」
感動極まったデスキングは、近くにいるワルキュラに尊敬を篭った視線を送った。(骨だから目玉がないよう)
ワルキュラは『また、勝手に勘違いしてやがる、この骸骨』という印象を抱きながら顔を横に逸らした。
「す、すごい陰謀ッス!」
……あまりの驚愕に骨ボディをプルプル震わせるリッチ。アヘン紙幣の裏にとんでもない陰謀が働いている事を知り、背筋に骨しかないのにゾクゾクっと冷たくなった。
「さすがワルキュラ様っス……惚れたっス!
智謀すらオイラ達を遥かに凌駕しているっス!
天下一っス!エルフに転生してお嫁さんになりたいッス!」
「いずれ人間達はアヘン紙幣を得るために、血を分けた子供や親ですら売るようになるであろう……。
そうなった瞬間、この大地はワルキュラ様の物になり、広大な宇宙を舞台にした大遠征が始まるのだ……ふはははははははっ!」
デスキングの高笑いが夜空に響き渡る。
空の下では、アヘン紙幣を得るために、金銀財宝を売り払う貴族。
金を得てロリエルフになった哀れな犠牲者。
今を生きるために、食料を得ようとする平民達の姿があった。
幸福を得るには、ワルキュラが発行した紙幣を得るしかない。みんなが無意識にそう思い込んでいる。
お金さんには、そういう人間の精神構造を支配する魔力がある事に気づくものは少なかった……
(すぐに近くに俺がいるのに、なんでこいつらは壮大にアホな事を言っているんだっ……?
分からんっ……お金より女の子に愛される方が大事だろ……常識的に考えて)
「ワルキュラ様そろそろアヘン線香なくなりそうです……
アヘン紙幣燃やしても良いですか?」
(ルビーちゃんは可愛いから許す)
紙切れが燃えて、アヘンの良い匂いが場に漂った。
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