暁 〜小説投稿サイト〜
ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
18話 経済支配-終 「金の魔術師ワルキュラ」
[1/3]
[8]
前話
[1]
次
最後
--------------------------------------------------------------------------------
高いの塔の上で、暇なアンデッド達が、下界に広がる光景を見下ろしている。
下界の……市場では、アヘン紙幣を手に持った人間達が嬉しそうな顔で、欲しい物を買い、あるいは逆にアヘン紙幣を手に入れるために、財産を高値で売ろうと、血と汗の涙が滲むような努力を行っていた。
酷い場所では、食料の独占を狙って買い占めを行おうとする輩もいたが、そういう輩はすぐに群衆にボコボコにされ、近くにいる骸骨へとプレゼントされている。
そんな光景を、紅い帽子を被った骸骨……リッチが見ていた。
「……ワルキュラ様はなんでこんなに人間を優遇するっス?」
ワルキュラが焦って何かをいう前に、彼女の上官である黒軍服が似合うデスキングが代わりに答える。
「リッチ。ワルキュラ様は人間を優遇してなどいない」
「でも、アヘン紙幣をばら蒔かなくても、骨なんて人間に貢がせれば無料で集まるっス。
金の無駄遣いっス」
「……だから、お前はアホなのだ。
物資を奪われたら農民の厄介さを知らない……じゃなく、ワルキュラ様の真意を全く理解しておらん」
「……?」言われた通り、全く理解できなかったリッチは首をかしげた。
デスキングは黒い帽子を被り直して、言葉をゆっくり続ける。
「アヘン紙幣は確かに価値があるものだ。
十億アヘン集めればエルフに転生でき、無数のサービスを受けられる。
だが……ワルキュラ様から見れば、アヘン紙幣は大量生産できる紙切れに過ぎない。
ここまで言えば、意味は分かるな?」
「か、紙切れって……一万アヘン紙幣すら稼ぐの大変っスよ!?
オイラの初任給が月額三万アヘンだった事を知らないッスか!」
「お前はその『たかが紙切れ』を得るために、必死に働いてるだろう?」
「ま、まさかっ……気づかない間にオイラ……っ!
紙切れに支配されてたっス……?」
リッチは人生哲学的な、とんでもない事に至った。紙切れに支配された死後の人生なんてゾッとする。
即座にデスキングは厳かに否定した。
「違う。お前は紙切れに支配されている訳ではない。
『紙切れ』を通してワルキュラ様に身も心も支配されているのだ」
「?」
デスキングは、
異次元
(
アイテムボックス
)
から一万アヘン紙幣の束を取り出し
「その金っ!オイラにくれるんスか――」 リッチの言葉を強引に遮って、紙幣を見せつけながら解説を続ける。
「アヘン紙幣に価値があるのは、ワルキュラ様が皆に信用されている証だ。
ワルキュラ様がその価値を保証すると言っておられるからこそ、紙切れでエルフに転生できるのだ。
[8]
前話
[1]
次
最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ