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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
15話 経済支配-2 「戦勝祝い市場」
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気絶から目を覚ましたセイルン王は、ひとり孤独に宮殿の中庭を歩いてた。
黒髪に白髪が大量に増え、ここ一日で老け込んだように見える。

「ワ、ワシはどないすればっ……!?」

これから先の人生をどうすればいいのか?
セイルンは、人間なら誰でも経験する人生の大問題とやらにブチ当たっている。
一応、王という地位だけは保証されているのだ。
財産はほぼ全部没収されたとはいえ、セイルン王が身につけている豪華な品の数々は、貧民では一生購入できない代物。
ワルキュラ陣営内で出世して、給料貰えば少しの贅沢くらいはできそうだ……ストレスで死ぬ方が早そうだが。

「お、お腹が痛くなってきたっ……!
と、とりあえずっ……ワシ専用の病院に行こうっ……」

環境の急激な変化に耐え切れず、胃が痛くなりすぎたセイルン。彼は専用の病院へ行く事にした。
専用病院は、王族の他には、他国から来訪した国家首脳級くらいしかご利用できない特別施設さん。
北朝鮮にも似たようなもんがあるから、異世界にだって、きっとあるんだい。
どれだけ栄光を極めようと、健康を維持できないと、不幸としか感じないのが人間だし。

「馬車を用意せーい!
ワシは病院に行きたい!」

周りに響くように声を荒げたセイルン。昨日までなら、すぐに使用人がやってきて、どんな命令でも従ってくれた。
だが、不思議な事に誰も来ない。
いや、一応、来る者はいた。白くてカルシスムたっぷりの骨。
ワルキュラの配下で一番数多くいる骸骨(スケルトン)だった。
死人の癖に、お医者さんである事を示す白衣を着ているから余計に不気味だ。

「病人がいるんだぞ!静かにしろ!
骨折したらどうするんだ!お前の骨を治療用に抜き取ってやろうか!」

骸骨ゆえの怖すぎる大迫力。冗談抜きで命を取られる。そう理解したセイルンは――

「……ひぃぃぃぃぃぃっ!!
すいませんでしたぁぁぁぁ!!
ワシは病院行きたいだけなんですぅぅぅっ!!!」

情けない悲鳴をあげ、駝鳥のごとく、宮殿から逃げ出した。
医者な骸骨は、そんなセイルンの後ろ姿を見て小さく呟く。

「おい……病院はここだぞ?
まぁ、いいか。あんなに元気良く動けるなら、医者は要らんだろうな。
生きたいという気持ちに満ちている人間は実に良い……」

長年、セイルン王国の政治の中枢だった巨大宮殿の一部は、病院さんになっていた。
王族+貴族+彼らの世話をする使用人を同時に宿泊できる機能を備えているから、ベットの数はたっぷりある。
入院中に死んでもご安心。
骸骨(スケルトン)に借金して転生できるサービス付き。
〜〜〜〜〜〜


宮殿から逃げ出したセイルンは、専用病院までの長い道のりを歩く事にした。
昨日までは、外国製の専用馬車で楽に到達
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