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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
4話 国盗り物語-終「家臣達の尊敬」
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構成されたアンデッドだから、眼窩には目はない。
代わりにあるのは黒い闇。古ぼけた黒い軍服を着ているから、骨がほとんど隠れている。
それはナチスドイツの格好いい軍服に似ていた。

(あの方はさすがとしか言いようがない……)

最大の物量を誇るスケルトン大陸軍を率いる責任者として、デスキングはますます忠誠に値する存在になったワルキュラを崇拝せざる負えなかった。
今の偉大な主君の事を思うだけで……生前、デスキングが人間だった頃。
無能な主君に仕えた過去の自分の愚かしさを思い出す。
幾ら、戦場で活躍しても活躍しても、当時の主は自分の功績に嫉妬するばかり。
挙句の果てには、反乱の疑いをかけられ、一族郎党皆殺しにされた。
上司が無能であれば、部下が幾ら有能であろうと意味はない。
それを人間の一生をかけて悟ったのだ。

(私は幸せ者だ……ワルキュラ様に不死者として蘇らせてもらい、思う存分、活躍できる舞台を与えてくださる……。
武人として真に幸せなり)

デスキングの両隣にいる触手大魔王とデュラハンの長デューも、そんな似たような酷い過去を持っている。
生前は、救われなかった。だが、死んだ後にワルキュラが救ってくれた。
ノーライフ・オンライン。最後の最終決戦は、プレイヤーが『水爆使ってほとんどの階層を一気に消し飛ばす』という戦術の前に惨敗を帰した。
三人とも一瞬で蒸発したから、何が原因で死亡したのかすら知らないが、それだけに想像の翼が広がる。
地下城塞アカンドラですら容易く蹂躙する化け物相手に……ワルキュラ様は生き残り、家臣達の忠義に報いて復活させてくれた。そんなイメージが三人の脳裏を掠める。
過程はどうあれ、これが意味する事は一つ。
百八の世界を巻き込んだ最終決戦に、ワルキュラ様は勝利なされたのだ。
ああ、なんと偉大なる大魔王。
デスキングはワルキュラの事を尊敬し、生きた軍神として崇めるしかなかった。
戦史、いや歴史に残る偉業を、あの方と一緒にやれると思うだけで心が熱くなってモチベーションを維持できる。
デスキング、デュー、触手大魔王。
全員が大好きな主君のために叫んだ。

「今度は宇宙征服しましょう!陛下!
太陽殿を屈服させたのならば、色々な戦術が思いつきますなぁ!」元気に両手を振り上げ喜ぶ骸骨。

「太陽殿とはどのような激戦をやられたのですか!?
剣で倒せますか!陛下!」金属音を軋ませながら叫ぶ全身鎧。

「拙者と戦った時よりも、遥かに強くなって凄いでござる!
太陽殿はどんな美少女だったでござるか!?」と無数の触手をクネクネさせた。エッチィ生き物。


〜〜〜〜

ここで唐突だが……伝言ゲームを知っているだろうか?
人が人に情報を伝えていく内に、情報が変質しまくる遊びである。
それが
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