暁 〜小説投稿サイト〜
リアルアカウント 〜another story〜
account 5 隙有り〜♪
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か〜? アナタの妙な力、はっきり言って訳が判りませんが、今はふつうの人間でしょ? じゃなきゃ、さっきまではサラっと躱してくれてたのに、随分あっさりと。こ〜んな簡単に当たる訳ないですもんね〜??」

 伸ばした腕を、戻すマーブル。
 鋭利な手刀の先端を、返しの様に折り曲げている為、彼の身体も同じく引き寄せられてしまう。ぼとぼと……、と大量の血を撒き散らせながら。

「これで、平和なリアルアカウントの世界に戻れますねぇ? おバカなバグが消えてくれて、せーせーしますねぇ〜」

 ニヤニヤと笑いながら、もう事切れているであろう、彼を緩やかに左右に振り回していた。


『い、いや……っ』
『う、うわぁぁぁ……!?』


 当然、その返り血は、周囲に舞い散るから、回りにいた人間達も悲鳴を上げていた。

 ただ、悲鳴の理由は、それだけではないだろう。

 何故なら、この中で唯一マーブルに抗える。……いや、圧倒できる男だったから。
 本人はやる気はなく、気まぐれな性格、こちら側の味方だとは、到底思えなかったけれど……、彼が楽しめば楽しむ程、被害はマーブル側になっていっていた。
 だから、ひょっとしたら、助かるかもしれない、と言う期待があったのだ。

 それが、あっさりと奪われてしまい、残ったのは、理不尽なゲーム。最悪のゲームだけとなり、思わず悲鳴を上げてしまったのだ。


 そんな中で、笑い声を上げ続けるのは、マーブルただ1人。


 もちろん――、その笑みが長く続く程……()は、じっとはしていない。


 楽しむ為に――この世界へと来たのだから。

 

 


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