機動戦艦ナデシコ
1280話
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はないんだろうけど。
『じゃあ、標的を出すわよ』
その言葉と共に、俺が出て来た場所から少し離れたエアロックが開き、何かが姿を現す。……って、おい。あれってバッタの残骸じゃないか。
「いいのか?」
『いいのよ。バッタの残骸は数だけは多いから、きちんと調べるのに必要な分は十分以上に確保してるし。そうなれば、その標的みたいに壊れているのはもう必要ないの。それに、私達が戦うのは木星蜥蜴よ? 幾ら地球の兵器に効果があっても、木星蜥蜴の兵器に効果がなければ意味はないでしょ。……じゃ、お願い』
「了解」
ま、エリナがいいって言うんなら問題ないだろう。
ネルガルの懐の心配まで俺がする必要はないだろうし、実際ネルガルにしてみればバッタの残骸の1つや2つ、破壊しても痛くも何ともないのは事実だろうし。
機体を動かし、取りあえずは動かない状態のまま肩のミサイルを発射する。
緊張の一瞬だったが、ミサイルは呆気ない程にミロンガ改の肩から発射され、真っ直ぐにバッタの残骸へと向かって飛んでいき……やがて命中する。
まぁ、爆発はしないけど。
ぶつかってミサイルの先端が潰れたのを映像モニタで確認する。
「止まった状態からのミサイル発射は問題なし。次は移動しながらの発射に移る」
『了解。いい調子よ、頑張って』
エリナからの応援の言葉を受けながら、ミロンガ改をエナジーウィングとテスラ・ドライブで移動させる。
速度に関しては、かなりの遅さだ。
……まぁ、最初に全速力で移動しながらミサイルを撃とうとして、爆発とかの妙な事になったら困るしな。
そのまま移動しつつ、ミサイルを発射。
肩から射出されたミサイルは、真っ直ぐにバッタの残骸へと向かい……次の瞬間には命中する。
よし、取りあえずこれはこれでOKだな。
「命中した。これからどうする?」
『もう何発か移動しながら撃ってみて。今のままなら大丈夫だと思うけど、連続してミサイルを撃ったら何らかの不具合を起こすかもしれないわ』
そう言いつつも、エリナの表情には自信が溢れている。
ネルガルの仕事を信頼しているのは間違いない。
いや、自分の勤めている会社なんだし、その辺は当然か。
「了解した。もう暫く動き回りながらミサイルを撃つ」
もっとも、爆発しない以上は後でミサイルを回収しないといけないだろうが。
ああ、でもそう考えればそれ程悪いって事じゃないのか。
ミサイルそのままで残ってるって事は、回収がしやすいという事にも繋がるのだから。
ネルガルの作業員は楽が出来て羨ましい。……まぁ、その代わりに色々と俺には思いも寄らぬ苦労とかがあるんだろうけど。
ともあれ、俺はエリナの指示に従って移動しながら次々にミサイルを放っていく。
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