暁 〜小説投稿サイト〜
とある地下の暗密組織(フォートレス)
第1話
ep.009  『赤く染まる幼い少女編 7』
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右交互に見る。

右、左と交互に見る。やはり誰も起きていないようだ。




グウウゥゥゥ~~~~~~

(とりあえず、腹減ったな。)
右に向きゆっくりと歩き出す。

目指しているのは本来は待合室として使われるはずの場所。今は、家でいうリビングの役割を果たしている。

「やっぱりまだ誰も起きてきてないか。」
ついつい口ずさみながら左へ曲がり、歩き出す。

欠伸(あくび)()らし頭をかきながら、申し訳程度にシーちゃんを探す。


着いてしまった。一応、進みながら見回していたがそれらしい姿は無かった。
「とりあえず腹減ったし、なんか飯でも食うか。」


(あさ)る。(はた)から見れば、泥棒にしか見えないような光景だ。台所、冷蔵庫と探して、何もないのかと思い、戻ってきた。

椅子に座り、ふと机の上に目をやる。そこには普通に食パンが置かれていた。と言うより見落としていた。

ついつい机の上に何かあるなと思って、どうせ叶世が置いた置物だろうと思っていたが、まさか食えるものだとは・・・・・。





ガチャッ

いつも通り、邪魔が入る。

何処かの誰かではないが、
「不幸だ。」
言葉が漏れた。


目的区は全体的に階段と廊下と部屋だけの作りだから違うが、ここは地下でずっと夜だ。日の出の無いここの住人達は好きな時に目を覚まし行動し、好きな時に眠る。
「誰だぁ?」

叶世がいないという事は、地下の人間だろう。ここら辺りで来るとすれば『GROW』の人間か?

いや、『シ 302』(あのこ)の事で来た地上の人間か?
何方(どちら)にせよどうせろくな奴が来ないことは分かっている。




「誰だとは人聞きの悪い。お前らが最近こそこそとしているから調査に来たまでだ。」
(・・・・、不幸だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)
この第0学区に置いて一番合いたくない人間が来てしまった。


部屋に入り、夢絶の視界に入る。夢絶には死神の様な女がその目に移った。

真っ黒色(まっくろいろ)のひざ元まである白衣のように見える上着。中にはへそ下までしかないピチピチの黒シャツ。黒ベルトに太ももにも達していない(たけ)のパンツ。右腰からチェーンが逆アーチ形に後ろに伸びている。


その女、矢田 子狂。
支配区の管理者であり、この地下のトップレベルの能力者。そして、『正確性』と言うものにおいて右に出る者はおらず、その能力から人間の姿をした死神とかと影で愚痴られていたりする。
(夢絶が本人のいないところで言い始めたことが起源。)

「それで、お前たちが何かしているはずだが、そのイザコザはもう終わったのか?」
もう見透してい
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