4部分:第四章
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れがおわかりになられましたね」
「その通りだぎゃ。じゃあ名古屋に帰ったら」
「帰ったら。そうして」
「味噌カツと海老フライを食うだがね」
名古屋の象徴をだ。食べるというのだ。
「その後できし麺、デザートはういろうだぎゃ」
「名古屋やないですか」
その言葉を聞いてだ。後輩はすぐに突っ込みを入れた。
「どれもこれも」
「確かに京都料理はわかったぎゃ」
裕貴はそのことは否定しなかった。しかしそれと共にこう言うのである。
「けれどわしは名古屋人だぎゃ。やっぱり名古屋の料理だぎゃ」
「そうでっか」
「八丁味噌こそ最高だぎゃ」
その名古屋の味噌である。
「それを堪能するだぎゃ」
「じゃあ。そうして下さい」
「そうするだぎゃ」
はっきりと言い切る彼だった。そしてだ。
そんな話をしているうちにだ。ホームに新幹線が来た。白と青の流線型のその姿を見てだ。
彼はだ。後輩に最後に言った。
「じゃあ。まただぎゃ」
「はい、また」
裕貴は新幹線に乗った。そうして名古屋に帰るのだった。その新幹線の中で名古屋の食べ物のことを考えていた。しかし口元にまだ残るように感じられるあの風味は忘れていなかった。
京料理 完
2011・4・1
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