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京料理
1部分:第一章
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「はい、じゃあ御願いします」
「わかったぎゃ。ただ」
「ただ?」
「食い物はこっちで選ばせてもらうぎゃ」
 こうだ。不機嫌そのものの顔で話したのだった。その後輩にだ。
 後輩は線が細く色が白い。何処か中性的な感じだ。そうした雰囲気がさらにだった。京都という雰囲気を醸し出していた。彼の嫌いな京都のだ。
「それでいいだぎゃ?」
「えっ、湯豆腐とかは」
「南禅寺のだぎゃ?」
「はい、行かへんのですか?」
「遠慮するぎゃ。食い物はコンビニなり何なりあるだぎゃ」
 こう言ってだ。食べ物はこちらで選ぶというのだった。

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