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ガールズ&パンツァー SSまとめ 西住みほと角谷杏(暴力シーンあり)
その3
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け、暴れ、大声で叫び続け、転がり回り、床を叩き、みほの名を呼び続けた。
 砕けるガラス、電池の飛んだリモコン、穴の開いた壁、逆くの字に曲がった携帯。
「みほ、みほ、みほ、みほ、みほ、みほ、みほ、みほ、みほみほみほみほみほみほみほぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
 いい子のみほなんか要らない。
 私を睨み、口元を歪ませ凍った視線で心を犯す、瞳と言葉と唇と舌と歯と指と……で痛めつけ、よがり狂わせるあのみほが欲しい。
 全身をみほに侵され、染められ……溶けて混ざり合いたい。一つになりたい。
 日が暮れ、夜空に満天の星が瞬く頃、泣き叫び暴れるのに疲れた私は、這いずり、よろめきながらベランダに向かう。
「『あの』みほのいない世界なんて、やだ」
 もう戻れない、戻りたくない。
 窓を開け、夜風を浴びた私は……いちど部屋の中に戻り、壁に投げつけた携帯を手に取る。
 ヒンジを境目に2つに折れ画面も割れていたが、どうにかメールの操作はできる。
 『ごめんね』
 震える手で、最期の4文字をみほ宛に送る。
 みほに血だまりと肉塊を、ざっくり割れた頭と白い脳漿を、糞便の臭いの漂う内臓を、濁った瞳をさらけ出したい。
 私の死体を見て、泣き叫ぶみほ……いや、光を失った瞳で見下すみほ、唇を歪ませ、歯を剥き出しにするみほ……。
 どんなみほでもいい、私にしか見せないみほを見て……想像しながら、死にたい。
 ベランダのコンクリートに寝転がり、夜空を見上げる。
……ここから飛び降りて、仰向けに落ちて、何秒間あの空を見てられるのかなぁ……
……それとも、飛び降りた瞬間に気絶して、永遠に闇の中か……みほの歪んだ笑顔を、刻み付けよう……
 止まらない嗚咽をこらえもせず、目を閉じ、時間をかけてみほの冷たい声とあの顔、そして痛みを脳裏に焼き付ける。
 行こう。
 震えがくつく膝に力をこめ、ベランダに手を掛けたその時。
 寮に向かって走る、少女の足音が聞こえた。
 制服姿の、短髪の少女が寮の1階の玄関に入ると同時に……インターホンが鳴った。

「会長っ!」
 あは、みほが慌ててる。焦ってる。
 息を切らして、汗いっぱいかいて……ここまで走って来てくれたんだ。
「にしずみ、ちゃん」
「……! どうしたんですかこの部屋? 何があったんですか!?」
「私、死ぬんだ」
 操り人形みたいにゆらりと立ち上がり、ベランダに向かう。
「西住ちゃーん。私が地面に叩き付けられて血を流して頭を割って死んでくとこ見てて欲しいなー」
 涎を垂らし、えへら、えへら、と笑いながら、足を1歩ずつ進める。
 3m、2m、1m……ベランダを超え、私の中の狂った西住ちゃんと一緒に地獄に旅立つまで、あとちょっと。
「ありがとね、にしず……」
 またベランダに手を掛けようとする
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