エリカとカチューシャ、ちょっとノンナ
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起こして来い」
「了解しました!」
食事を終えお茶を飲んでいた赤星小梅が立ち上がり、振り返ると、ぎょっとした表情で隅っこのテーブルを指さす。
「あ、え……エ、ふく……?」
「どうした……!?」
逸見エリカ……顔面蒼白、目も真っ白、髪の毛も真っ白。モノクロ化した逸見エリカが、焦点の定まらない瞳で機械的に朝食を口に運んでいた。
「おいしっかりしろ、エリカ! 何があった!?」
「……」
エリカは口に食事を運びながら、ぼそぼそと熊本の子守唄を歌っていた。
「たまにはご飯にお味噌汁の朝ごはんも悪くないわね」
「そうですねカチューシャ」
ほっぺたにご飯粒を付けながら味噌汁をすするカチューシャが、箸でタクワンを掴みノンナの皿に乗せる。
「ふうっ、ところでノンナ、昨日変な夢を見たの」
「どのような?」
「ノンナが2人いてカチューシャを奪いっこする夢よ! 片っぽは背が低くて髪の毛も違う。ニセモノね」
「で、最終的にはどちらがカチューシャ様を?」
「決まってるでしょ! その黒髪、その背。本物のあなたが勝ったわ!!」
「それは良かったですね。今日も頑張りましょう、カチューシャ」
「言われなくても分かってるわ! 黒森峰なんかに負けてられないんだから!」
冷ましたお茶を一気に飲み干すカチューシャを見守るノンナ。
彼女は穏やかな微笑を湛え、皿の上の黄色いタクワンを1切れ、優雅に口に運んだ。
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