暁 〜小説投稿サイト〜
ガールズ&パンツァー SSまとめ
西住みほと逸見エリカ 西住まほと角谷杏
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
んて決してしないから」
「……すまない、すまないな、不器用で……」
 からん。
 りんごイダーの氷が溶けて音を立てるまでの間、まほと会長は顔を伏せ、静かに抱き合っていた。
 
 
 翌朝、黒森峰の部隊と補修部品が着くまでにはまだ時間が有る。
 3人は私服姿で朝の学園艦をぶらぶらと散歩していた。
「エリカさん、もういいの? まだ寝てないと」
「もう大丈夫よ、私の回復力を甘く見ないで」
 めまいも頭痛も収まった。足もふらつかない。あとは早めにしっかりと寝れば大丈夫だろう。
 それより……せっかくだ。みほと一緒の時間を過ごしたい。
 そして……隊長が、いっしょだ!
「本当に大丈夫なんだな、エリカ。無理はするなよ」
「……もしだめなら、だっこして抱えてみほの部屋まで運んでくださいますか?」
「ふふ、2人でじっくり看病か?」
「エリカさん、まだ心配なら病院に戻ったほうが……」
「隊長とみほに看病してもらえるなら、打撲だろうが骨折だろうが、たぶんあっという間に消えてくわ!」
 カラカラと笑うエリカに、2人はすこしだけ不安を覚えたが……こんなエリカ、見たこと無い。
「そうかな……そうかも」
 まほがニッコリと笑い、エリカの前髪をかきあげる。
「んんっ」
 満足そうな笑みを浮かべる二人に、みほが散歩の行き先を提案した。
「アイスクリーム、食べようよ!」
「アイスクリームぅ? ……いいわねぇ」
「大丈夫かエリカ、凍みたりしないか?」
「ええ……黒森峰で売ってる白くまよりおいしいかしら?」
「うん、干し芋アイスとかトッピングとか、いろいろあるよ!」
「よし、行ってみるか!」
みほ、エリカ、まほの3人が、私服姿でゆっくりと朝の学園艦を進んでいく。
黒森峰で見せていた冷厳な表情が緩み、穏やかな笑みと、ゆっくりめのエリカの歩調に合わせるまほの姿……事故がきっかけとはいえ、偶然訪れた戦車乗りの休日だった。

(夢から覚めた夢、そのまた先の現実が、こんなご褒美なんてね)
 両手に西住姉妹の体温の暖かさを感じながら、エリカの足取りは軽くなっていった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ