西住みほと逸見エリカ 西住まほと角谷杏
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べながら、いや、いやをする。
……これはどういう状況?。
高校を卒業して、大学に進学した。進学先は当然、私にとっての絶対的な『隊長』、西住まほのいる大学。
同じ大学を選んだ『元副隊長』西住みほ……もうわだかまりなどない。
一時はその顔を思い浮かべた途端嫌悪すら覚えたが、片や黒森峰、片や大洗の隊長として、3年生で死力を尽くし戦い……やっと分かり合えた。
かつての仲間であり、今再び……この大学で仲間になった。
……そっか、西住分隊長は私とみほの上官……新入りが慣れるまでは寮の同じ部屋で暮らす。そんなちょっと軍隊じみた大学の戦車道。
……でも、ちょっと気を利かせすぎじゃないの? こうやってわたしはまほ隊長とみほにサンドイッチされて……蕩けちゃうわよ!
「これで起きようったって無理ですよぉ、隊長ぉ、みほ……」
その言葉を出した瞬間に、リアルが……崩れた。
「……」
外は、しとしとと降る雨。
もうすぐ春だってのに、折角膨らんだ花もしぼんでしまう。
夢から目を覚まし、ゆっくりと目を開く。
「ああ、私も疲れてんのかしらね……」
休日であることには変わらないが……狭く無機質な部屋。黒森峰女学院、機甲科の1人寮。
……なに、夢見てるんだろう。荒唐無稽ね。
大学生なんてまだ3年先、みんな同じ大学だなんて虫が良すぎる。
雨が降ってても、ボクササイズなら出来る。
いつも通り布団を綺麗に畳み、運動着の上下ジャージに着替え、歯磨き、洗顔、身支度、髪に櫛を通し……。
そこで、少し嫌な予感がした。
「みほ?」
『あの日』、黒森峰にとっての悪夢の決勝戦。
以来ずっとふさぎ込んでいた彼女も、ようやく少しだけ表情が和らぎ、また元通りに練習に参加し、来年こそは雪辱を誓うそんな意気込みが感じられるようになった……。
「副隊長のあんたがしっかりしないとダメよ! いつまで過去を引きずってる気!? 来年の大会は絶対優勝旗を持って帰るんだから、いいわね!」
「う、うん!」
ぎこちないながらも、どうにか笑みを作ってくれたみほを信じ、まほ隊長を信じる。それしか、未来は開けない。
/////////////
昨日の夜。
みほが、鉛のように重く、氷のように冷え切った顔で実家から戻ってきた。
濡れたコートを脱いだ彼女は蒼ざめ、心なしか震え、視線が定まらず、淀んでいた。
西住流の家庭の事情……何があったかは踏み込むべきではない。わたしは瞬時にそう判断した。今は詮索すべきではない。詳しい話は明日。
「みほ、遅かったわね、大丈夫? 顔色悪いわよ」
「あ、うん……」
「ま、運動よ運動、明日は早起きして一緒にボクササイズでもしましょう。まだまだ隊長から学ぶことはいっぱいあるわ、来年こそプラウダを打ち負かさ
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