機動戦艦ナデシコ
1279話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
力は決して突出しているという訳ではなかったらしく、俺から感じた何かも気のせいだったと思ったのか、すぐに普通の態度へと戻る。
「そ、そうだよな。……ああ、分かってる。いや悪いな。別にお前がどうこうって訳じゃねえんだよ。ただ、あれだけの力を持ってる奴がどんなのか会ってみたかっただけだ。そしたらあの親父がいきなり妙な事を言ってくるから……」
「ナンパされてリョーコったら殴っちゃったんだよねぇ。可哀相に」
「ナンパをするなら、何パターンも口説き文句が必要……何パターン……ナンパターン。……ウフフフ」
「あー、うるせえ。ったく、何であたしはこんな奴等とチームを組んでるんだろうな」
随分と個性的な面子が揃っているらしい。
こうして見る限り、何だかんだと言い合いながらも戦闘ではしっかりと自分の役割を果たすだろうというのは容易に想像出来た。
「ま、ウリバタケ……お前が殴ったって男をあまり責めてないでくれ。ああ見えて腕はいいし、整備の連中も上手く纏めてる。……それに、見て分かると思うけど整備員は男しかいないんだよ。そこにお前みたいな美人がやって来れば、ウリバタケなら口説いてもおかしくないだろ。いや、ウリバタケだけじゃなくて、整備班全員に言えるだろうけど」
そう告げた瞬間、リョーコの顔が急激に赤くなっていく。
それこそ、見ていて分かる程に急激にだ。
「ばっ、ばっ、馬鹿言ってんじゃねぇっ! だ、誰が美人だよ!」
あー……なるほど。エリナと同じくそっち系の経験は殆どないのか。
いや、外見はともかく性格は男勝りと表現するのが相応しいような相手だ。
そう考えれば、それ程おかしな事でもないのか?
「あははは。リョーコったら照れてるー」
「うっせぇぞヒカル!」
こっちはそんなに男慣れしてない……って訳でもなさそうだけど。
「ま、ともあれだ。俺の機体は向こうにあるミロンガ改だからエステバリスと連携するのはちょっと難しいだろうけど、ナデシコには他にも2人エステバリスのパイロットがいるからよろしく頼む」
「ふーん。その2人はどんな奴なんだ?」
「1人は地球での戦闘で怪我をして、現在医務室で入院中だ。……腕自体はそんなに悪くないと思うんだが、全く人の話を聞かないで猪突猛進するような奴だな」
ヤマダに関して告げると、その瞬間にリョーコの顔が顰められる。
まぁ、普通に考えてヤマダと一緒の戦場に立ちたいと思うような奴はいないよな。
いっそ囮と考えれば、それなりにいい働きをしてくれそうではある……というのはちょっと酷いか? ただ、実際ヤマダの性格を考えればそれがベストの戦い方になるだろうし、人の話を聞かないから最終的には同じ事になると思うんだよな。
「うわっ、マジかよそれ。……で、2人目は?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ