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銀の煌めき
銀の煌めき 2話 濃霧に紛れて
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…ぎりぎりだな」
「うん、はぁ…はぁ…疲れたぁ」
 電車がくる5分前に駅に到着した。私達は、人の少ない駅を小走りで駆け、切符を買って、改札を潜り、プラットホームに出た。もうその時には電車がくる2分前になっていた。
「いやー、久々に走ったな」
「良かったね、早めに出てて」
 私は、狭いプラットホームに一つだけある、長椅子に腰掛けた。
「この駅ってさ、なんか寂しいよね」
「ん、なにがだ?」
「うーん、何て言うかな…ここさ、錆びれてるし、普通なら出勤ラッシュの時間帯なのに人全然いないしさ」
「まぁな。でも、住めば都ってやつだろ、俺は好きだな。こう言うの」
 帝斗も、私の隣に座った。帝斗は、携帯の画面を少し眺め、その後に何か打ち込んだ。恐らくメールであろう。
「誰から?」
「蒼美から。…あ、まあいいか」
 帝斗が何かを思い出したように言った。
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「何でもなくないでしょ。…あ、そう言えば、駅で何か買うって言ってなかった?」
「あぁ…。あ、電車きたぞ」
「もぅ、誤魔化さない!」
 先に帝斗が電車に乗る。それを追いかけるように私も乗った。
 やはり車内は、人が少ない。いるのは、同じ学校の生徒が二人、スーツを着た男が一人、黒い、エナメル、とでもいうのだろうかそんな質のフード付きのパーカーを着ている、見た感じ怪しい男が一人。
 とりあえず、兄の隣に私は座った。これは定位置である。
「…で、兄さん。駅で何買おうとしてたの?」
「そんなに気になるか?」
「気になるよ」
「そんなに?」
「そんなに」
「えーと、まぁ、そのだな、蒼美の…」
「ええっ?!」
「まだ、最後まで言ってないんだが」
「言わなくてもわかるよ!」
 私は、周りの迷惑にならない程度にそう言った。
「蒼美さんの、誕生日プレゼントでしょ?」
「よく分かったな」
「バカ兄さん!」
「ば、バカとはなんだ」
「兄さん、誕生日プレゼントに何あげようとしてたの?」
「普通にキーホルダーでも、と思ったんだけど」
「バカバカバカ!」
 私は、帝斗になぜか怒っていた。帝斗は、確かに頭が良いし、魔法師としても優秀である。だがそれに反して、こう言う、常識的なことに関してはこの上なくバカ、である。
「むぅ〜、蒼美さんの誕生日って12月26日だよね?」
「おう、だから学校ある間に渡そうと思って…」
「バカ兄さん! 当日に渡すよ!」
 私は帝斗に詰め寄った。
「しかしなぁ、26日は定例会議があるんだよな」
「そんな毎週あるやつの方が、蒼美さんより大事なの?!」
 私は、珍しい帝斗に心の底から怒っていた。それは、妹としてではなく、一人の乙女として、である。
「わかったよ、どうにかしてその日は空けておくよ。 …で、
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