暁 〜小説投稿サイト〜
ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第50話 力の大妖
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
な状態だから。……それでも、強力すぎる一撃だろうが。


 だが、意識があるのであれば、好都合と言う物だった。―――カイトにとっては。


「……砕蔵。貴様は、オレの友達に手を出したんだ。 女に蹴られただけ、……それだけで終われると思うな」


 月音の傍にいたカイトは、ゆっくりと歩き、モカの隣を横切り………、砕蔵の倒れている方に、向かって 人差し指と中指を立てて、向けた。

 光輝く指先が緩やかに動き……、空間に図形が生まれた。


「――少々刺激が強すぎるかもしれんが、……頭を冷やさせてやる。『煉獄の氷塊、《氷神の鉄槌(アイシクルペイン)』」


 空気中の粒が、一箇所にどんどん集まってゆく。砕蔵の倒れた頭上に、その巨体よりも遥かに大きい、大体砕蔵の身体、2〜3個分はありそうな、蒼白く輝く巨大な塊が現れた。


「がふっ… は… はぁ? ………な…に…? ……コレ………は? って、ぁ……ぁぁぁ……ぁぁぁぁぁぁ…………」


 砕蔵は、はっきりと見た。生涯でも、間違いなくNo.1に入りそうな悪夢を。
 薄れ逝く意識の中で砕蔵は、見た自分の身体が、更に巨大な何かに、押し潰される瞬間を。

 ズ ズ ンッ! 低く重く、鈍い音。

 砕蔵は叫ぶまもなく、氷塊の下へと消えていった。






「(すごい…2人ともだけど… 特にモカさん… 怖いけど… 思わず見惚れてた…… どっちが…本当の?)」

 月音は、フラフラしながら、立ち上がった。ゆっくりとモカはつくねに近付く。

「(ああ… もうダメ…だ…)」

 もう、本当に本当の限界だった様だ。……倒れそうになった。
 それを、モカが抱きとめた。


「(ああ… 凄く… い…い…におい オレの大好きな… モ…カ…さ…んの…)」


 月音は、そのままつくねは意識を失ったのだった。






[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ