第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その六
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「私は一切止めないが」
「いや、それはですよ」
「卒業した後で、です」
「DTを卒業した後で」
「楽しんできます」
「そうか、DTを卒業してからか」
悪田部も二人の言葉を聞いて言った。
「わかった、ではだ」
「はい、最初はムードのある場所でです」
「卒業してきますんで」
「じゃあそういうことで」
「俺達はそれからです」
「ふむ、それでは卒業後楽しんでくれ」
悪田部も二人に言った、そのうえで。
二人にだ、あらためて言った。
「私はそのことには何も言わない」
「はい、じゃあ行って来ます」
「その後で」
こう話してだ、二人は。
今は卒業よりも勝負に行くのだった、しかしそれは勝負より数日前のことなのでこの日はゲームセンターに向かった。
西郷はこの日平安神宮にいた、そこで。
和歌を嗜みつつだ、目を閉じて傍らに控える瞬に言った。
「和歌、それはです」
「至高の芸術でごわすな」
「はい」
その通りとだ、瞬も答えた。
「まさに」
「そうでごわすな、そして今度の勝負は」
「その和歌で行われます」
「勝負の場所は古都奈良」
西郷は瞑目する様にこうも言った。
「和歌を謡うにしてもでごわす」
「適した場所ですね」
「万葉集の場所でごわすが」
「古今集等にも縁がある場所です」
「勝負の場所に相応しいでごわす」
「ですから」
それ故にとだ、瞬も応えて言う。
「私も自然と心が清らかになり」
「そして、でごわすな」
「謡いたくなります」
「和歌とは何か」
西郷はまた言った。
「それは出来不出来ではないでごわす」
「では何でしょうか」
「心でごわす」
それがあるかどうかというのだ。
「心がなければ如何に技があろうとでごわす」
「そうした和歌は何でしょうか」
「二流でごわす」
「まず心が入っていてこそですか」
「和歌でごわす」
こう瞬に言うのだった。
「心が第一でごわす」
「では私も」
「心を込めてでごわす」
そのうえでというのだ。
「詠ってきて欲しいでごわす」
「わかりました」
確かな声でだった、瞬も答えた。そしてだった。
その瞬にだ、源田とハルトマンも言った。
「今回の勝負は心だ」
「いつも以上に貴官の心を出してもらいたい」
「そしてだ」
「そのうえで勝負をしてくれ」
「はい」
瞬は二人にも素直に答えた、空軍衆の敬礼と共に。
「必ず」
「私はドイツに生まれた」
そして今は日帝衆にいるとだ、ハルトマンは答えた。
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