スカルフェイス
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ぇッ!!」
愛娘が銃撃される様を動けない身体で目の当たりにしたプレシアは、悔しさと怒りをにじませた悲鳴を上げる。しかし“影”は止めなかった。装弾されていた弾を撃ち尽くし、撃鉄の音が響くまでライフルの引き金を引き続けた。
「死ねないというのは辛いなぁ? どれだけ身体が傷付こうが、決して逃げる事は叶わない。その痛みを全て、受け止めなくてはならないのだ」
「いた、いよ……う……うぅ……! ま……ま……!」
「アリシア……早く……逃げなさい……!」
「せ……いれ……い……転……移……!!」
だが何も起こらなかった。かつてファーヴニルの氷に閉じ込められても使えた精霊の力が何故か使えない事に、プレシアとアリシアは驚きで目を見開く。
「な……んで……!? 力が……使え、ない……!?」
「まさか……エナジーを………消され、た……!?」
「博士と代弁者の確保は完了した。“虫”の効果も期待通りだ……計画を次のフェイズに進めるとしよう」
「ひっ……!? い、嫌だ……! 離し……て! 助……けて、ママ……!! ママぁあああ!!!」
「ア……リシア……あ、……あ、アリシアァ……!!!」
この日以降、テスタロッサ宅から全ての音が一切しなくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新暦67年9月18日、7時00分
ウルズ首都ブレイダブリクのホームにて。
「……ん? あぁ……朝か……」
窓を塞ぐカーテンのすき間から日差しが入り、一番早くジャンゴは目を覚ます。先日加入した一人を除き、全員雑魚寝で寝ていたので彼の視野には他の仲間の寝姿が見えている。なのはは隣で枕を掴みながらスヤスヤ寝て、アギトはジャンゴの枕の近くで大の字の格好で寝転がり、ビーティーはサイボーグの人工血液ホワイトブラッドの透析を行う装置を昨日の内に運び込んでその上で休眠中。ちなみに夜中もゴウンゴウンと唸ってて地味にうるさかった。
「おはよう、ジャンゴさん」
「あ、先に起きてたんだね、マキナ。おはよう」
「ちょっと待ってて、今朝食そっち持って行くから」
すると台所でパタパタと忙しない音がして、スリッパをはいてエプロンを着たマキナがホカホカの朝食を持ってくる。持参してきた保存食を解凍した奴を用いたそれは、ちょっと味付けは濃い目でカロリーは少々高めだが、朝採るべき栄養は十分備わっていた。
「んぅ〜? なんだかいい匂い〜」
「おはよう、なのは」
「あ、おはようジャンゴさん」
「くかー……むにゃむにゃ……」
「クックック……見ろよコイツ。咢の名の通り、口開けてマヌケ面晒してやがるぜ。よだれも垂らしてるし、熱々のソーセージでも突っ込んでみるか?」
「起きて
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