第6章 流されて異界
第138話 反魂封じ
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さな切っ掛けがひとつでも発生すれば、おそらく百鬼夜行。闇と迷信が支配していた時代の夜が再現される事となるでしょう。
もし、そのような状況に陥ったとすれば、その百鬼夜行を足場にして、更なる危険な神の顕現が起きるかも知れない。
出来るだけ自然な雰囲気でこの目の前の犬神使いを封じてから、周囲の大掃除を行わないと、このままでは地脈自体が穢れて仕舞う可能性が非常に高い。
これから先に為さなければならない仕事の多さに逃げ出したい気分の俺。確かに、ハルケギニアに居た時のように自分ですべてを為さなければならない訳ではないけど、それでも、ここまで深く事件に関わって終った以上、事後処理は他人に丸投げ、と言う訳にも行かない。
地脈とはこの地方だけで閉じている物ではない。世界各地、何処にでも繋がっている物なので、この場所で発生した穢れが何処で悪影響を及ぼすのか見当が付かない。
もし、そう成ってからの穢れ払いの手間を考えると……。コレはどう考えても水晶宮だけで行えるとも思えないので、結局、他の組織の手も借りる必要が出て来て……。
ハルヒの時ドコロの騒ぎではない巨大な借りと言う物を、アチコチの組織や国家、個人に作って仕舞う事となる。
バン! 刀印を結び、大きく腕を振る俺。その瞬間、清涼な気が世界を切り裂く。
「この地の地名や、オマエが狙っていた家の名字を、オマエさんは、ちゃんと調べてからアラハバキ召喚の儀式を開始したか?」
一歩、二歩と前に進みながら、そう尋ねる俺。その口調、及び雰囲気はそれまでと同じ、少し呆れた雰囲気を維持したまま。
そう、どう考えても今、何らかの術を行使して居るとは思えない様子で……。
「高坂だろう。その程度の事は知っている」
現在の異常な状況に気付く事もなく、更に、高坂と言う文字に籠められた呪に気付く事もない。かなりぶっきらぼうな口調が、今の精神状態を示しているかのような犬神使いの青年。
成るほど……。
結論。コイツは術や魔法に関しては完全な素人。その素人に真面な知識を付けてやる事もなく、ただ望む能力のみを与えたのが這い寄る混沌と言う事か。
ウン! 再び刀印にて斬り裂かれる悪しき気。
「元々の名前。黄泉坂は、どう考えても黄泉平坂や黄泉自体を連想させる地名や名字だった」
その為に、前世のオマエは黄泉に封じられた邪神を解き放とうとしてこの地に入り、当時の黄泉坂の当主を巻き込んだ。
おそらく、弓月さんの御先祖様は、その方面ではかなり名前の知られた人物だったのでしょう。もしかすると、ヤツの元々の主人。平将門や良門に何らかの関わりが有った人物の可能性もあると思います。
しかし、最終的には、その黄泉坂の人間に討たれる事により
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