第3章 リーザス陥落
第84話 ノース・サウス二正面作戦
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囲の確認をしに 動いてくれていたかなみが戻ってきた。
「周囲を確認しましたが、カースAの残滓は 町の戦士達が片付けてくれているみたいです。……個体の1つ1つが相手であれば、如何に武器が通じにくくても問題ない様です」
「そうか。ありがとな。かなみ」
「いえ、大丈夫です」
す……っと、頭を下げて笑顔でそう言うかなみ。
正直な所 ユーリにはまだまだ休んでもらいたい気持ちもあった。デンに来た時は戦闘があるなど考えても無かったのに、結果として 大規模な討伐戦になってしまったのだ。だから、少しでも気休めでも、と想い率先して確認をして回ったのだ。
「お疲れ様。かなみ。わたしからも、礼を言うわ。……あんなのに、絡まれたくないからね」「ぅ……」
志津香も軽く苦笑いをしつつ、そう言う。
『絡まれたくない』と言う言葉は聞こえた様で、傍にいたアテンは、カースAに絡みつかれた事を軽く思い出してしまっていた様で、背筋をぞわっ…… と震わせていた。
因みに、同じく被害者であろう筈の、ジュリアは……。
『ジュリアちゃんも頑張ったよ〜〜♪』
『トマトだって、ですかねー! レンゴク・トマト! 今日も絶好調ですかねー!』
トマトとはしゃいでいる様子で、全く気にした様は無かったりする。
それなりの討伐戦の後に、はしゃげる所を見ると……案外只者じゃないのかもしれない……、と感じるのはユーリだった。
「え、えへへ。うん。大丈夫よ、志津香。忍者だから、身軽だしね?」
「ふふふ」
お礼を言ってくれた事が嬉しく、頭を掻きながら照れるかなみ。そんなかなみを見て微笑む志津香。
安心出来る皆を見るだけで、十分気が休まる……と言うものだ。随分と殊勲な男である。こういう面に置いては。
――もう少し、気づいて欲しい事があるんだけど……。
と、誰とは言わない、言う必要がないと思うが、兎も角不特定多数が 感じていたのだった。
「かなみさん。少し、怪我してますね。回復しておきます」
「あ、ありがとう。クルックーさん」
常にマイペースの彼女も……心の何処かでは想っている事だろう。
でも、クルックーもある意味ユーリ並に鈍い。――……自分の心については。
「さて、そろそろ 行こうか。……娼館の方にも顔を出してな」
「判りました!」
「判りました」
「ええ」
遊んでいるジュリアやトマトを引き連れて、一行は戻っていったのだった。
こうして、デンの町の戦いは幕を閉じた……と、思ったのだが、まだ終わってなかった。
いろんな意味で厄介な事が起きていたのだ。――……ランスの方で。
それは、ランス達の所での事。
「いやー、やるわねー? いかすわぁ
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