第3章 リーザス陥落
第84話 ノース・サウス二正面作戦
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カースAの討伐に成功した解放軍の一行。
これで、『デンの町も大丈夫だ』と思えるのだが、実際の所はまだ油断は出来ない。
それは、カースAの性質にあった。
その無限とも思える食欲。それは、本体である頭を失ったとしても、本能が細胞の隅々にまで行き渡っているかの様に、獲物を求め、動くのだ。
通常であれば身体の末端にまで命令を下しているだろう、頭部を失えば、機能を停止するのだが……、特質と言える。元々原型を留めていない様な身体だから、成せるのだろう、と言われており、まだ解明は出来ていない。
と言う訳で、デンの住人達に声をかけているのはユーリ。
「残った触手には十分に注意してくれ。……本体が生きていた時に比べれば、力も遥かに失っているから 致死性のある様な攻撃はしてこないだろうが……、所謂、女の子だったら色々と厄介なんだ」
「おう! 判った!!」
「ありがとなぁ!!」
カースAの被害から守ってくれた事実。
それが、ユーリの町での株を上げる切欠になったのは言うまでもない事実である。ランスは色々とうるさかったのだが、正直な所 男ばかりの町だから、と言う理由で そこまでしつこくはなかった。
「ふぅ……、それで ランスのヤツは何処に行ったんだ? 途中から静かになったが」
「さぁ? 『男ばっかりでむさい』とだけ言って、どっかに言ったわ。マリアやシィルちゃんを連れてね」
ユーリの隣で、ため息を吐いて、説明してくれたのは志津香だ。
このメンバーの中で ランスに言われてついて行くのは 限られてくる。ランスも(認めてはいないものの)それを判っている様だったから、2人に絞った様だ。
あとは単純に、町の住人(男)に色々と説明するのはメンドくさい、ユーリの仕事(勝手に) と言う事もあるだろう。
「……マリアがついて行くのに、よく黙認したな? 志津香」
マリアは、志津香にとって 親友だと言う事は周知の事実。付き合いの始まりは、ユーリの方が早かったが、幼き日より、育んできた時間を共に過ごした間柄では、カスタムの四魔女の皆の方が遥かに長い。
だからこそ、ランスの毒牙からは…… といつも考えている(口に出している)から、止めなかった事に意外性をユーリは感じていた。
「……マリアも子供じゃないんだから。自分の事は自分で決めるでしょ。それに、シィルちゃん1人じゃ大変そうなのも事実だし」
「それもそうだな」
ユーリは志津香の返答を聞いて 苦笑いをしていた。自分の事は疎い癖に、他人の事になると、それなりに発揮する感性。マリアの想いも少なからず知っている様子なのを見て、イラッと来たのは 志津香だが……、そこは静観した。
「ユーリさん」
そんな時、周
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