番外編 〜喫茶店のマスター〜
後編
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はぁ……」
ハルさんはお子さんの両肩に手を起き、僕の方に身体を向けさせた。
「北上とうちのカミさんは……球磨って言うんだけど……二人は、姉妹だ」
「はい。前に聞きました」
「つまり、この子の母親……俺のカミさんは、艦娘だ」
「……」
「大変なこともあったし、辛いこともたくさん体験したよ。でも今は幸せだし、カミさんもきっとそう思ってくれてる」
確かにこの言葉は、僕に勇気を与えてくれた。
「だろ?」
「はい」
やっぱりこの人、僕がこれから北上さんに会う目的に気付いてるのかな……?
「どうだろうね? ニヤニヤ」
「いや、絶対に気付いてるでしょハルさん」
「うん」
『応援してるよ』『がんばるくまー』という親子の温かいエールを受けた後、今度ハルさんのうちに遊びに行く約束をして、ばーばーちょもらんま鎮守府を出る。その後そのままミア&リリーの前に立って、僕は入り口の取手に手をかけた。
「おっ。いらっしゃーい」
いつものように、やる気ない……でも僕の耳にとても心地よい声が聞こえた。北上さんはいつものように、20冊のマンガ本を傍らに置いてカウンターでマンガを読んでいたようだった。
「北上さんこんちわ」
「ほーい……あーところでトモくん」
「はい?」
「私今、ちょうどおなかすいてるんだよね」
「はい」
「……」
「……」
「……」
「……ミニホットドッグでいいですか?」
「あと、冷たい飲み物も」
「冬なのに……アイスカフェオレでいいですか?」
「ありがとね♪」
カウンターに立ち、エプロンをつけて調理に入る。ロールパンを4つ準備して包丁で切れ目をいれ、キャベツの千切りとボイルしたソーセージをはさみ、トースターで少しだけ焼き目をつけてあげる。
北上さんは相変わらずマンガを読んでいた。店内に静かに鳴り響く、トースターのタイマーのジジジという音と、ページをめくる音。
「北上さん」
「んー?」
「今日はお話があってきました」
「奇遇だねー。私もトモくんに話があるから待ってたんだ」
トースターで焼き色をつけている間に、グラスを2つ準備して氷を入れ、濃い目に入れたコーヒーと冷たい牛乳を注ぐ。ガムシロップを入れてほどよくかき混ぜ、アイスカフェオレが2つ出来、一つは北上さんの前に置いた。北上さんは僕がカフェオレを置くやいなや、手を伸ばして一口飲んでいた。マンガを読みながらなのに、正確にグラスに手を伸ばして掴んでいた。
「北上さん」
「んー?」
「北上さんは、僕にとって大切な人です」
「……奇遇だねー。私も」
チンという音がなり、いい具合にミニホットドッグに焼き色がついた。それをお皿に盛り、北上さんの前に差し出した。
北上さんは
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