第23話家族からの擬似テレパシー
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アスナさんの言い分はもっともである。頼みを聞いて激レアの肉を料理するのにその報酬がたったの一口。キリトにフェアという言葉を辞書で調べて赤線を引いておけと言ってやりたいところだ。キリトも渋々半分という条件を飲み込み、アスナさんも子供のように飛び上がる。
「悪いな。てな訳で、取り引き中止だ」
ーーーは?今コイツナンテ言ッタ?取リ引キーーー中止?
「俺達ダチだよな?・・・な?」
「冗談だよな?オレ達親友だよな?3分の1、4分の1とは言わないからさ。せめて味見くらい・・・」
「感想文を800字以内で書いてきてやるよ」
「そりゃねぇだろ・・・」
今思っていた事がエギルとシンクロした。スタスタと店を出ていくキリトとアスナさんと中年の男をオレは無言で見送った。感想文?フザケルナ。800字以内?書けるモンなら書いてみろ。オレにも頼んだじゃねえか。それなのにこの仕打ちか?いいぜ、オレがその肉料理してやるよ。グツグツと煮えくり返るオレの胃袋で釜茹でにしてやるよ。
まず始めに腰を低く落とします。次に右手を地面に付けます。最後にーーー
「待てやコルァァァァァ!!」
足に力を入れて思いっきり走る!以上、隻腕のクラウチングスタート教室でした。
あの三人は案外早く見つかった。それどころかエギルの店からそれほど離れていない所で立ち止まってた。その中の一人、アスナさんと一緒にいた中年の男は何かを訴えかけていた。内容はーーー
「アスナ様!コイツら自分さえ良ければ良い連中ですよ!こんな奴と関わると録な事がないんです!」
ビーターと関わるな。つまりそういう事だった。その会話が聞こえたのか、周囲のヤジウマがざわめき出す。
「おやおや、随分騒がしいな。中分けのおっさん」
「何だ貴様・・・っ!?」
「ライリュウ・・・」
「ライリュウくん・・・」
どうにも見てられない現状にオレは突入した。中分けのおっさんに声を掛けるとオレの顔を見てーーー一瞬固まった。まるで前にオレに会った事があるかのように。
「おっさんさぁ、先代にちょっかい出すのやめてくんない?」
「先代だと?・・・そうか貴様!」
「《隻腕のドラゴン》ライリュウ。・・・いや、あんたには《二代目ビーター》って名乗った方が良いか?」
オレが発言した先代という単語、それに反応したおっさんの顔はさらに険しくなった。オレが二代目ならキリトは先代、その理屈は通るはずだ。
「二代目だと?ふざけるな!貴様らビーターのせいで!この二年で4000人ものプレイヤーが死んだんだぞ!解ってるのか!」
「ビーターのせい、ねぇ。確かに数十人はそうだろうな」
そうーーーこの二年で4000人のプレイヤーが死んだ。最初の一ヶ月だけでも2000人がこ
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