第23話家族からの擬似テレパシー
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げ足が速く、そもそも滅多に姿を現さない兎型モンスター《ラグーラビット》を倒す事で手に入る超激レア食材。
だがここで問題発生ーーーそれこそ《料理スキル》の熟練度が足りないという超大問題。オレも未来も《料理スキル》は持っている。だがこの《ラグーラビットの肉》を扱えるほどスキル上げをしていない。オレじゃキリトとエギルの期待に応える事は出来ない。未来は超次元どころか別次元すぎる為論外。オレは首を横に降る事しか出来なかった。食べたい、食べたい!オレのこの喉にこの兎の肉を通したいィィィィィィ!!
「キリトくん」
オレの精神が半ば暴走しそうになった瞬間、キリトの肩を軽く叩き声を掛ける女性が現れた。彼女は《閃光》の異名を持つ攻略組最大クラスのギルド、《血盟騎士団》副団長のアスナさん。初めて会った時とは比べ物にならないくらいに明るくなった彼女の後ろにはもう一人、中年の長髪の前髪を中分けにした見慣れない男がいた。
「シェフ捕獲・・・!」
「な、何よ・・・?」
いつの間にかキリトはアスナさんの右手を自分の両手で握っていた。その時アスナさんの後ろにいた男がキリトを睨み付けその手を放させた。
「珍しいなアスナ。こんなごみ溜めに顔を出すなんて」
「ムッ・・・」
何て事言うんだキリト。お前親しきエギルにもーーー間違えた。親しき仲にも礼儀ありって言葉知ってる?確かにエギルの商売は凄くあこぎだけど、ごみ溜めはないだろ。
「もうすぐ次のボス攻略だから、生きてるか確認しに来てあげてるんじゃない」
「フレンドリストに登録してんだから、それくらい解るだろ?」
「生きてるなら良いのよ」
何だこの二人、やけに仲良いな。しかもフレンド登録までしてるし。いつこんな仲良くなったんだ?アスナさんに至ってはフレンドリストじゃなくて直接会いに来てるぞ。
「そんなことより何よ?シェフがどうこうって」
「ああ、そうだった。今《料理スキル》の熟練度ってどの辺?」
そうだ、アスナさんは《料理スキル》を持っていた。彼女は趣味と実益を兼ねて《料理スキル》を上げてるから今はかなり高いはずだ。オレ達が期待を膨らませているとアスナさんはーーーフフンと笑った。つまりーーー
「先週コンプリートしたわ!」
その言葉にオレとキリトとエギルが短く驚きの声をあげた。すごいでしょ?と胸を張って自慢するアスナさんにキリトはすかさず本題に入るため《ラグーラビットの肉》を見せた。これには流石の《閃光》のアスナさんも驚く。
「取引だ。こいつを料理してくれたら、一口食わせてやる」
キリトの頼み方は随分偉そうだな。その頼み方が気に障ったのか、アスナさんがキリトの胸ぐらを掴み至近距離まで顔を寄せてこう言い放つ。
「は・ん・ぶ・ん!」
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