第四話 変化の兆しその五
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「俺もか」
「龍馬もそう思うんだ」
「最近特にそうなってきたな」
「女の子みたいに」
「そうなってきていないか」
「どうしてかな」
「普通違う筈だろ」
成長るに従ってというのだ。
「毛が濃くなったり体型が逞しくなってな」
「お髭もだね」
「生えるからな」
「けれど僕は」
「そうだな、それがな」
どうもというのだ。
「俺も気になっている」
「龍馬にしても」
「けれどな」
「けれど?」
「体質はそれぞれだろ」
龍馬は優花に顔を向けて言った。
「百人いれば百人な」
「それぞれなんだ」
「そうだ、男らしい人もいればな」
「女の子みたいな人もいる」
「そういうことだろ」
「俺はこうした感じでな」
そしてというのだ。
「御前は御前だ」
「女の子みたいでいいんだ」
「それで御前が誰かに迷惑をかけているか」
「迷惑は」
「かけていないな」
「そんなことはね」
それこそとだ、優花も答えた。
「僕もしていないと思うよ」
「そうだ、御前が女の子みたいでもな」
そうした外見、身体的特徴でもというのだ。
「誰にも迷惑かけていないからな」
「いいんだね」
「俺はそう思う、御前の心は御前のままだ」
「それでいいんだ」
「御前が女の子みたいで何か言う奴がいたら」
ここでまた顔を正面に戻して言った龍馬だった。
「俺がいる」
「龍馬が」
「そして優子さんもな」
彼女、優花の姉である彼女がというのだ。
「いるからな」
「龍馬と姉さんがいるから」
「大丈夫だ、例え何があってもな」
「龍馬と姉さんはだね」
「御前と一緒にいる」
こう言うのだった。
「だから安心しろ」
「それじゃあ」
「そうだ、何か言う奴がいても俺がいる」
「そして姉さんも」
「だから安心しろ、いいな」
こうしたことを言ってだ、そしてだった。
優花にだ、龍馬はあらためて言った。
「帰り何処か寄らないか」
「何処か?」
「腹減ってないか」
それでというのだ。
「何処かに行くか」
「それで食べるんだね」
「牛丼でもな」
「龍馬こうした時よく牛丼言うよね」
「そういえばそうだな」
「吉野家だよね」
「あそこが一番いいな」
牛丼というと、というのだ。
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