第四話 変化の兆しその二
[8]前話 [2]次話
「女の子じゃない」
「そうなんだよ、何かな」
「蓮見の体格って女の子っぽくなってきたんだよ」
「毛も薄いところもな」
「女の子みたいじゃないか?」
「髭が生えなくて」
「あと顔立ちもな」
それもというのだ。
「前からそんな感じだったにしても」
「最近特に女の子らしいよな」
「そうなってきてるな」
「どうもな」
クラスメイト達は優花のその顔も見て言うのだった。
「女装出来るな」
「ああ、出来るな」
「この顔だとな」
「体格とかだってそうだしな」
「髪の毛もそのままで」
「女装したら下手な女の子より可愛いかもな」
「アイドルになれるかもな」
「それってあれだよね」
女装と聞いてだ、こう言った優花だった。
「男の娘だよね」
「ああ、それな」
「そのままなれるぜ」
「最近定着したけれどな、男の娘」
「蓮見ならなれるな」
「というかもう今の時点でじゃないのか?」
既にというのだ。
「男の娘になってるか?」
「言われてみればそうかもな」
「制服は着ててズボンでもな」
「もうな」
「男の娘かもな」
「僕女装をするつもりはないよ」
優花はこのことは断った。
「別にね」
「じゃあ男らしくか」
「男らしくなりたいか」
「そこまではいかないけれど」
それでもというのだ。
「女装の趣味はないから」
「まああれは定着しててもな」
「誰もがする趣味じゃないな」
「そういうものだな」
「下着はトランクスだしスカートを穿くとか」
女装の定番のことから話した。
「想像も出来ないよ」
「そうか、じゃあな」
「これまで通りか」
「普通の格好か」
「その顔でも」
「そうだよ」
はっきりとした返事だった。
「ズボン以外ないから」
「そうか、けれどな」
「本当に最近女の子になってきたな」
「髭なんか生えそうにもないし」
「剃るとか考えられないだろうな」
「それは純粋に楽だろうな」
「基本毎日剃らないといけないみたいだしな」
髭の手入れの話にもなっていた。
「それに蓮見髭似合いそうにもないな」
「絶対に似合わないな」
「そんな顔だな」
「僕もそう思うよ」
優花自身も言う。
「お髭は似合わないね」
「その顔だとな」
「やっぱり髭って男のものだからな」
「その女の子みたいな顔だと」
「どうしてもな」
似合わないとだ、周りも言う。
「生えそうもないしな」
「蓮見に髭はないな」
「どう考えてもな」
「そうだよね」
また自分でも言った優花だった。その髭の話が丁度一段落したところでだった。クラス委員が彼等に言ってきた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ