第四話 変化の兆しその一
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第四話 変化の兆し
優花は体育の授業の前の着替えの時にだ、またクラスメイト達に言われた。
「やっぱり蓮見ってな」
「毛薄いよな」
「髪の毛以外はな」
「本当に薄いな」
彼の胸や足を見ての言葉だ。
「手だってな」
「ムダ毛とかないよな」
「しかも身体丸いな」
「筋肉も柔らかい感じで」
「最近特にかな」
優花自身だ、自分の身体を見て言った。
「体毛がね」
「薄くなってきたんだな」
「そうなんだな」
「お髭そろそろ生える筈だよね」
こうも言ったのだった。
「皆生えてきてるよね」
「まあちょっとはな」
「そんな兆し出て来てるか？」
「俺はまだだけれどな」
「俺はちょっとな」
「何かね」
自分の顎や口元を撫でつつだ、こうも言う優花だった。
「全然生えなくてね」
「髭がか」
「そうなのか」
「そうなんだ」
全く、という感じでの言葉だった。
「髪の毛以外の毛が全然生えなくて」
「まあ髪の毛はな」
「ないと困るよな」
「禿げたら嫌だぜ」
「あんな怖いことないしな」
中には自分の親族の髪の毛を思い出す者もいた、そのうえでに言葉だ。
「蓮見は髪の毛多いな」
「そっちはな」
「それでその髪の毛も」
「最近感じが変わってきたか？」
「伸び方が早くなってきた気がするんだ」
自分でも言う言葉だった、ここでも。
「どうもね」
「髪の毛が伸びるのがか」
「早くなってきたのかよ」
「それでね」
ジャージを着つつさらに言う、勿論他の面々も着替えを続けている。
「髪の毛が増えて薄くなってきたかな」
「おい、増えたのかよ」
「それいいな」
「髪の毛はやっぱり多くないとな」
「少ないよりずっといいぜ」
「うん、どうしてかな」
首を傾げさせてだ、また言った優花だった。
「毛が薄くなって髪の毛だけが増えてきたのは」
「それに体格もな」
「筋肉も柔らかいぜ」
「ヘラクレスってところまではいかなくても」
「男の体格じゃないんじゃないか？」
今度は体格のことに重点が移った。
「胸が厚くないな、蓮見の体格」
「その代わりに腰が大きいな」
「それで胸板じゃなくて胸が少し出て来たか」
「そんな風になってるぜ」
「胸が出て来てるのなら」
そう聞いてこう言った優花だった。
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