第三百十四話
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第三百十四話 家に帰って
家に帰ってだ、亜美はすぐに自分の部屋に入るところをだ、母親のところに言って満面の笑顔でこう言ったのだった。
「うちやったで」
「何をやってん」
「お塩造ってん」
「魔法でかいな」
「そや、錬金術でや」
こう母に言った。
「中学生からやるのをな」
「そら凄いな」
「そやろ、先生にも褒めてもらったわ」
「それは何よりや」
「いやあ、今日お赤飯やな」
「そうした時にはお赤飯ちゃうで」
母は娘に笑って返した。
「お赤飯は別の時に食べるものや」
「そうなん」
「そや、また別の時に炊くわ」
こう言って今は、と言うのだった。
「その時を楽しみにしてるんや」
「わかったわ」
「けど今日は無理でも明日やな」
「明日何してくれるん?」
「凄いことやったんや、あんたの好きなすき焼きや」
明日の夕食はというのだ。
「お肉たっぷり入れてやるで」
「すき焼き?ほんまなん?」
「こうした時に嘘は言わんわ」
母は笑ったまま娘にまた応えた。
「ほなええな」
「お祝いのすき焼きやな」
「家族皆で食べるで」
亜美が努力してことを為したお祝いにというのだ。
「ええな」
「頑張ったかいがあったわ」
「人間努力してこそやで」
「何かが出来るんやな」
「お母ちゃんがいつも言うてる通りや」
それを亜美がしたからだというのだ。
「お祝いに牛肉たっぷり入れたすき焼きやで」
「そのたっぷりがええな」
「それだけの価値があるってことや」
努力の成果がというのだ、こう話してだ。
「すき焼きのな」
「努力ってええもんやな」
「それで何かが出来たらな」
「ほなうちまた努力するわ」
「そうしいや」
娘にこれからのことについてもハッパをかけることも忘れない、そして亜美も実際にこれからも努力しようと誓うのだった。
第三百十四話 完
2016・2・5
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