第2章:埋もれし過去の産物
第37話「窮地」
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ああっ!?」
凄まじい力によって無理矢理投げられたヴィヴィオは、何とか途中で体勢を立て直す。
「...貫け。“スカーレットアロー”。」
「(っ...!私が避けたらアインハルトさんが...!)」
緋雪はそのままシャルを用いて紅の矢を放つ。
ヴィヴィオをアインハルトの方向に投げたのは、ヴィヴィオが避けれなくするため。
だからこそ、ヴィヴィオは避けずに矢を対処しようとした。
「...パパ、力を貸して...!」
―――導王流“流水”
「っ....ぁあっ!!」
目の前まで来た魔力の矢に、手を添え、するりと横へ逸らす。
瞬間、ヴィヴィオは吹き飛ばされるが、アインハルトが吹き飛ばされた場所よりは大きく外れ、ヴィヴィオへのダメージも最小限に抑えられた。
...それでも十分なダメージだったが。
「(まだ...まだまだ....!!)」
「はぁ...はぁ....。」
「っ...ふぅ....。」
「ふふ♪あはは♪あははははははは♪」
受け流し、反撃し、受け流し、吹き飛ばされ、その繰り返しで、ヴィヴィオとアインハルトはボロボロになっていった。
「(なんとなく分かる.....まだ、手加減されてる...!)」
「(それに対して私達は限界...でも、戦わなければ...!)」
止められるのはアインハルトとヴィヴィオしかいない。
実際、もし二人以外が戦っていれば手加減もなく容赦なく惨殺されていただろう。
かつてのオリヴィエとクラウスに似ており、さらに導王流を扱うからこそ、緋雪の油断に付けこみ、相性の良さで戦えているのだ。
....だから、二人はここで倒れる訳にはいかなかった。
「(形勢は圧倒的に不利。むしろ、窮地と言ってもいい...!)」
「(それでも、緋雪お姉ちゃんを倒せるのは....!)」
息を整え、再び二人は限界を顧みずに緋雪に挑みかかった。
「「(私達だけ.....!!)」」
―――狂気との死闘は、終わらない...。
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