第2章:埋もれし過去の産物
第37話「窮地」
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れを穿つ。
「ついでよ受け取りなさい!」
―――“旋風地獄”
さらに、振り向いて御札を三枚投げる。
それらに込められた術式が一斉に発動し、風の刃が群れを吹き飛ばす。
「...貫け。」
―――“呪黒剣”
それにより一時的に妖の攻撃を防ぐ必要のなくなった葵が、レイピアを地面に刺し、巨大な黒い剣を地面から生やし、大量の妖を貫く。
「っ、っと...!」
「葵!」
攻撃の隙を突かれ、葵はレイピアで攻撃を防ぎつつも後退する。
そこへ椿が回復の術式を込めた御札を投げつけ、回復させる。
「ありがと....かやちゃん!後ろ!」
「っ...!くっ、きゃぁっ!?」
しかし、椿の後ろから来た攻撃に、椿は回避しきれずに吹き飛ばされてしまう。
「嘘...あれって....!」
「っ....そうね、負の感情を増幅させた存在が多いのなら、いるはずよね...!」
体勢を立て直し、椿は葵の傍で呟く。
目に映るのは、椿の闇の欠片...ただし、黒いオーラのようなものを纏っている。
「嘆き、怒り、憎しみ、全てを祟ってやろうと思った私が!」
「ぁああ...!かえ、せ..!薔薇姫を...返せぇええええええ!!!」
瞬間、闇の欠片から黒い瘴気のような触手が伸びてくる。
「じょ、冗談じゃないよ!それってかやちゃんが祟り神化したようなものって事!?」
「ホンット、冗談じゃないわ...!アレ、別格の強さよ...!」
しかもそれだけじゃない。椿の闇の欠片の他にも、妖の群れもいるのだ。
「....責任持ってアレは私が相手するわ。葵は他の奴を。」
「かやちゃん!?それは....!」
「私の事は私がよく知ってる。...私が招いた事だもの。私が処理するわ。」
「っ....分かったよ。他はあたしに任せて。」
椿は御札に仕舞っていた短刀を取り出し、単独での戦い方に変える。
葵も構えを変え、護りから攻めへと変える。
「...司や優輝がいなければ、私はああなってたのね。」
椿は自身の闇の欠片を見てそう呟きつつ、苛烈になる戦闘へと再び身を投じた。
「これ...は....!?」
一方、結界に転移してきた管理局組は、街で蠢く妖の群れに戦慄していた。
『そこら一帯に何かの術式が仕掛けられてるよ!多分、それが闇の欠片を集めてる原因だと思う!』
「なるほど...!厄介すぎる...!」
追いついてきたクロノがエイミィの通信にそう言う。
結界内の闇の欠片がここに集まるとなると、相当危険な事になる。
しかも、この地帯の近くに椿たち四人や緋雪
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